続いて、2024年春に開始する新Vポイントとグループ内共通ポイントだが、グループ外にも開放しはじめたWAON POINTを見ていこう。
Vポイント(Tポイント)経済圏
最も古い共通ポイント「Tポイント」を吸収するVポイント。
Oliveフレキシブルペイでは、対象のコンビニや飲食店で最大20%還元と、ポイントを大盤振る舞いしている。メガバンクの資金力だろうか。
一方、携帯電話がMVNOしかない点、コード決済・オンラインモールがないのが気になるところだ。しかし、コード決済についてはそれほど大きな問題ではないと考えている。
現在「スマホ決済」と言えば「コード決済」を意味することが多いが、三井住友銀行や三井住友カードは「スマホ決済=タッチ決済」に切り替えさせようと奮闘している。
セブン-イレブンやローソン、ドトールやなどの対象店舗でApple PayやGoogle Payなどでタッチ決済をすると最大7%還元(プラスチックカードは5%還元)とスマートフォンでの支払いを優遇。「スマホ決済=タッチ決済」に持って行ければ面白くなりそうだ。
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三井住友カード、対象コンビニや飲食店で最大5%還元サービスを2023年7月より条件を変更 スマートフォンのタッチ決済で7%還元に
三井住友カードは、2023年7月1日(土)利用分より、対象コンビニや飲食店で最大5%還元となるサービスの支払い方法や還元率を変更する。 2023年6月30日(金)まではカード・スマートフォンでVisa ...
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また、オンラインモールについてはAmazonで三井住友カードの対象カードやOliveフレキシブルペイを利用するとポイント○倍などの特典(特約店)などもつけると面白い。元々、Amazon Mastercardは三井住友カードが発行しておりAmazonとの関係もある。オンラインの特約店でもポイントアップすれば有力な経済圏になりそうだ。
WAON POINT経済圏
今回の表に入れるか迷ったのがWAON POINTだ。
元々はグループ内共通ポイントであり、イオングループのポイントをまとめたものが「WAON POINT」となる。
しかし、最近はグループ外にも導入を進めており、共通ポイントと言っても良いだろう。
最近は、イオンやイオンスタイルでイオンカード・AEON Payを利用するとポイント10倍なども実施しており、ポイントがたまる機会も増えている。
ただし、まだまだグループ外での利用は少なく、どれだけグループ外でAEON PayやWAON POINTカードを利用できるようになるか。さらに、キャンペーンではなく、恒常的におトクになる特典があると良い。
この他にもJRE POINTやWESTERポイントなどの鉄道会社のポイント、JALやANAなども金融サービスに力を入れており、今後はこれらの経済圏も表に含める時が来そうだ。
さて、最初の楽天経済圏から乗り換えられる経済圏があるのかどうかだが、総合的に考えると、やはり楽天経済圏が一歩リードしているだろう。
今回ダメージを受ける楽天のヘビーユーザーは、"楽天市場"でたくさんポイントをためてきたはずだ。しかし、これまで紹介してきたように、オンラインモールで楽天市場と同じ規模で同程度のポイントを獲得でき、さらに使いやすいポイントを提供している経済圏はない。Yahoo!ショッピングとau PAYマーケットでたまるキャンペーン分のポイントは、そこでしか使えない限定ポイントでの提供となり、この辺りが乗り換えしにくくしている要因だろう。
今後、楽天ポイントの期間限定ポイントの使い先がもっと限定されたり、SPU自体が終了したり、お買い物マラソンの1店舗の利用金額が1万円以上など高額になったりすれば、他の経済圏に乗り換えた方が良くなることもあるが、現時点では、期間限定ポイントを含めたポイントの使いやすさ、サービス連携でのポイントのたまりやすさを考えると、改悪があったとしても、まだ楽天経済圏が有利と言える。