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その楽天カードは本当におトク? 楽天カードの正しい選び方とは?

たくさんの人が保有している楽天カード。今回は、楽天カードのラインナップを紹介して、最適なカードの選び方を紹介したい。楽天カードを保有していない人も、既に楽天カードを保有している人も、自分にあった楽天カードかどうかを確認しよう。

楽天カードのラインアップは?

楽天カードには、楽天カード、楽天PINKカード、楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードがある。その他に楽天ANAマイレージクラブカード、アルペングループ楽天カードなどの提携カードもあるが、今回は楽天カード、楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードの4つのラインナップから最適な1枚を選ぶ方法を紹介したい。

なお、選択できる国際ブランドはVisa、Mastercard、JCB、American Expressだが、カードによっては選択できない国際ブランドもあるので注意が必要だ。

本会員 家族会員 国際ブランド
Visa Mastercard JCB American Express
楽天カード 無料 無料
楽天ゴールドカード 2,000円(税抜) 500円(税抜)
楽天プレミアムカード 10,000円(税抜) 500円(税抜)
楽天ブラックカード 30,000円(税抜) 2名まで無料

楽天ゴールドカードはAmerican Expressブランドを選択できず、楽天ブラックカードではVisaブランドがない。

念のため、上記以外のカードは以下のようになっている。

 

本会員 家族会員 国際ブランド
Visa Mastercard JCB American Express
楽天カードアカデミー 無料
楽天PINKカード 無料 無料
楽天銀行カード 無料
楽天ANAマイレージクラブカード 初年度無料、2年目以降500円(税抜)(年1回利用で無料) 無料
アルペングループ楽天カード 無料 無料

以降、それぞれのカードで選ぶべきポイントを紹介していきたい。

楽天カード vs 楽天ゴールドカード

まず、楽天カードと楽天ゴールドカードを比較して見よう。どちらを選べば良いかを確認するには、以下の4つをチェックしよう。

楽天市場で毎月1万円(税込)以上使うかどうか

楽天カードと楽天ゴールドカードの大きな違いは楽天市場でのSPU(スーパーポイントアッププログラム)で+2%のポイント獲得があるかどうかだ。

通常、楽天市場で楽天カードを利用すると、3%分のポイントを獲得することができる。例えば、1ヵ月1万円(税込)を楽天市場で楽天カードを利用して買い物すると、通常の100ポイントに加えて、さらに2倍分のポイントである200ポイントを獲得できる。合計300ポイント獲得だ。

これに加えて、楽天ゴールドカードの場合は、さらに+2%分のポイントを獲得可能だ。つまり、通常の100ポイント+2倍分の200ポイント、楽天ゴールドカードの200ポイントを獲得できるため、合計500ポイントの獲得となる。

楽天カードと楽天ゴールドカードのポイントの差は200ポイント=200円分だ。年間で2,400円分楽天ゴールドカードの方が多くのポイントを獲得できる。

消費税が10%の場合の楽天ゴールドカードの年会費は2,200円(税込)。従って、月間で1万円(税込)以上、楽天市場で楽天カードを利用するのであれば楽天ゴールドカードの方がおトクとなる。

毎月購入するような米・水などを楽天市場で購入するようにしていれば、それほど難しい金額ではないだろう。

年1回程度、飛行機で国内旅行をするかどうか

楽天ゴールドカードでは、年間2回まで国内線の空港ラウンジを利用する事ができる。正直、空港ラウンジについては、楽天ゴールドカード誕生当初から比べると大幅改悪となっている。

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国内線の空港ラウンジは、通常1名あたり1,000円程度必要となる。2回利用すると2,000円だ。従って、往復で空港ラウンジを毎年1回利用するのであれば、これだけでも元が取れる可能性はある。

なお、国際線の空港ラウンジを利用する事はできないため、国内線を利用するかどうかがチェックポイントだ。

海外旅行を考えているか

海外には現地のトラベルデスクがある。主要都市に設置されており、そのエリアの観光案内やレストラン紹介・予約、交通機関の予約などを日本語でやりとりできるのがメリットだ。

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このトラベルデスクを利用できるのは楽天ゴールドカード以上となる。年会費無料の楽天カードでは利用できないので、海外に行く機会があり、英語が不安という場合は楽天ゴールドカードを選ぶのも良いだろう。

ETCカードを利用する際に楽天PointClubの会員ランクを意識しているかどうか

楽天PointClubでは、過去6ヵ月間で楽天スーパーポイントの獲得回数と獲得ポイント数に応じて、レギュラーランクからダイヤモンドランクまで5つのランクがある。

ポイント数 獲得回数 楽天カード有無
レギュラーランク 200ポイント未満 2回未満
シルバーランク 200ポイント以上 2回以上
ゴールドランク 700ポイント以上 7回以上
プラチナランク 2,000ポイント以上 15回以上
ダイヤモンドランク 4,000ポイント以上 30回以上 保有

このランクはそれほど意識していない人も多いが、ETCカードを申し込むなら意識しなければならない。

年会費無料の楽天カードの場合、楽天PointClubの会員ランクがダイヤモンドまたはプラチナの場合はETCカードの年会費は無料となるが、それ以外は500円(税抜)の年会費が必要となる。楽天カード自体が年会費無料にもかかわらず、ETCカードで500円(税抜)必要になるのは本末転倒だ。

しかし、楽天ゴールドカードの場合はたとえレギュラーランクまでランクが落ちたとしてもETCカードの年会費は無料だ。楽天PointClubのランクを意識していない場合、ETCカードを申し込むのであれば楽天ゴールドカードにしておく方が安心だ。

楽天ゴールドカード vs 楽天プレミアムカード

続いて、楽天ゴールドカードと楽天プレミアムカードを比較したい。楽天ゴールドカードの年会費は2,000円(税抜)、楽天プレミアムカードの年会費は1万円(税抜)とその差は8,000円(税抜)。8,000円(税抜)をどう考えるかは以下の3つをチェックしよう。

海外出張・海外旅行が多いかどうか

楽天プレミアムカードの最大のメリットは国際線空港ラウンジを利用できるプレステージ会員のプライオリティ・パスを無料で取得できる点だ。プレステージ会員のプライオリティ・パスは年会費が429米ドルとなるため、年会費1万円(税抜)の楽天プレミアムカードの年会費から比べても非常におトクな条件となる。

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プレステージのプライオリティ・パスを申し込めるカードは基本的にプラチナカードとなり、年会費は2万円以上。これだけ考えても、楽天プレミアムカードはおトクといる。

プレステージ会員の場合は、本人は国際線空港ラウンジを何回でも無料で利用することが可能。ただし、同伴者は1名当たり3,000円(税抜)必要となるので、夫婦や部下などとの出張時には有料となってしまう。

法人カードの楽天ビジネスカードが必要か

楽天カードにも法人カードが存在する。「楽天ビジネスカード」となり、年会費は2,000円(税抜)だ。国際ブランドはVisaとなり、法人カードとしてはそれほど年会費も高くない。

ただし、楽天ビジネスカードは単体保有ができない。楽天プレミアムカードを個人カードとして保有していなければ楽天ビジネスカードの申し込みができないのだ。

個人事業主や法人代表者の場合、楽天プレミアムカードに加えて、楽天ビジネスカードを申し込むと、プライベートと法人経費を分けて管理することが可能となる。

楽天市場、楽天トラベル、楽天ブックス、Rakuten TVを良く利用するかどうか

楽天プレミアムカードでは、カード到着後に3つのコースを選択できる。「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」となり、楽天市場コースでは、毎週火曜日・木曜日のプレミアムカードデーに楽天市場で買い物すると+1%分のポイントを獲得可能だ。

トラベルコースは、楽天トラベルでオンラインカード決済すると、+1%分のポイントを獲得できる。また、旅行の際の出発時に自宅から空港、到着時に空港から自宅への手荷物を年2回まで無料で配送することが可能だ。

この国際線の手荷物無料宅配サービスは地味に便利で、海外に行く場合はおすすめのサービスとなる。

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エンタメコースでは、Rakuten TV利用分が+1%獲得でき、楽天ブックスも+1%の獲得が可能となっている。

それぞれのコースでの獲得ポイント上限は月間10,000ポイントまでだ。

なお、この3つのコースだけで楽天ゴールドカードとの年会費の差8,000円(税抜)を回収するのは難しい。従って、プライオリティ・パスが必要か、法人カードが必要かが楽天プレミアムカードを選択するときに重要なポイントとなる。

楽天プレミアムカード vs 楽天ブラックカード

楽天カードで年会費30,000円(税抜)というのは信じられないかもしれないが、楽天ブラックカードと楽天プレミアムカードの違いを紹介していきたい。なお、楽天プレミアムカードまでは自ら申し込むことが可能だが、楽天ブラックカードは招待制となる。

家族カードが必要かどうか

多くの場合、プラチナカード以上になると家族カードが無料となる。楽天ブラックカードも同様、家族カードは2名まで無料だ。一方、楽天プレミアムカードの場合は年会費1万円(税抜)だが、家族カードは1名あたり500円(税抜)必要となる。もし、2枚申し込んだ場合は、別途1,000円(税抜)必要だ。

この差を考えると、消費税が10%の場合は楽天ブラックカードの年会費は33,000円(税込)、楽天プレミアムカードの年会費は家族カードを含めて12,100円(税込)。楽天ブラックカードと楽天プレミアムカードの差額は20,900円まで小さくなる。

複数人での海外出張・旅行が多いかどうか

また、楽天プレミアムカードの場合は、国際線空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスを利用できるのだが、同伴者は1名あたり3,000円(税抜)必要となる。

もし、部下2名と一緒に出張に行く、3人家族で旅行に行く場合、国際線空港ラウンジを利用する際に2名分の6,000円(税抜)が別途必要となる。往復で考えると12,000円(税抜)を支払わなければ空港ラウンジを利用する事ができない。

楽天ブラックカードの場合は、同伴者2名分が無料となる特典がある。楽天ブラックカードで入手したプライオリティ・パスを利用すると、3名分が無料で利用できる。

年に2回程度、海外旅行や海外出張する場合は、楽天プレミアムカードと楽天ブラックカードの年会費2万円(税抜)の元を取ることが可能だ。

コンシェルジュデスクを使いたいかどうか

プラチナカードやブラックカードは大手企業の重役などが保有するものと感じる方も多いと思うが、実はそれ以外の人が保有するのがおすすめだ。

例えば出張手配を考える。業務時間中の手配は大変だが、コンシェルジュデスクでは24時間365日電話1本で手配してくれる。航空券も正規料金ではなく、割引価格で予約してもらうことができるため、自分で手配するのと変わらない。カード会社によっては提携航空会社があり、さらに割引価格になる場合もある。

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宿泊施設も高級ホテルや高級旅館である必要はなく、1万円以下のビジネスホテルでも手配してくれる。

重役などは自分で手配せずに秘書が手配してくれるだろう。従って、秘書がいないような人こそプラチナカードやブラックカードが必要だ。

飲み会やママ会などのレストラン予約も大変だ。コンシェルジュデスクで場所、予算、目的などを伝えると、レストランも検索してもらうことができる。

このコンシェルジュデスクを楽天ブラックカードは利用する事ができ、家族カードでも同じく利用する事が可能だ。もちろん、家族2名まで年会費無料で家族カードを保有できるため、追加コストは発生しない。

例えば、家族だけで帰省するときでも家族がコンシェルジュデスクを利用して手配できるなど、家族のためにプラチナカードを保有するというのも良いだろう。

コンシェルジュデスクを費用対効果で考えるのは難しいが、月間2,750円(税込)で秘書を雇っているようなモノと考えると安いと感じるかもしれない。

なお、国際ブランドによって利用できるコンシェルジュデスクが異なり、コンシェルジュデスクの質も変わる。この辺りは選びにくいところだろう。

「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」は全て利用可能

楽天プレミアムカードでは、「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」の3つの特典を1つ選ぶことになるのだが、楽天ブラックカードは全ての特典を利用できる。

例えば、「楽天市場コース」の場合、12月19日に「【楽天カード】楽天ブラックカード POINT SERVICE(19年10月度実施分)[2019/12/19]」とあり、これが+1%分のポイントと言う事だ。

通常のSPUの場合、「キャンペーン」ではなく「SPU」の表記がある。従って、楽天ゴールドカード以上の場合に楽天市場で+4%分のポイントを獲得可能だが、上記のポイントはSPUによるポイントとは別物とわかるだろう。

楽天プレミアムカードでも書いた通り、これらの特典だけで楽天ブラックカードと楽天プレミアムカードの年会費の差を回収することはできないが、若干おトクになると言う事だけ覚えておこう。

おトクじゃない特典には気をつけよう

なお、それぞれのカードにはまだまだ特典がたくさんある。しかし、筆者が色々使ってみて比較すべき点は上記ポイントだけで十分だと感じている。

例えば、楽天ブラックカードの場合、楽天トラベルの予約専用電話番号が用意され、電話1本で予約が可能だ。しかし、電話予約時には楽天トラベルの1%分の楽天スーパーポイントを獲得できない(楽天カードで現地決済分は1%分を獲得可能)。これは、楽天IDでログインしていないために付与できないためだ。また、「楽天トラベルコース」のポイントも、楽天トラベル経由でないため、+1%を獲得することもできない。従って、この特典はほぼ利用する事はないだろう。楽天ブラックカードはコンシェルジュデスクの利用ができるため、コンシェルジュデスク経由で申し込みすれば良い。

また、楽天プレミアムカードや楽天ブラックカード会員向けに「楽天カード FreeBird」というサービスがある。ビジネスクラスなどの上位クラスを含めた海外航空券を割引価格で入手できるサービスと書かれているが、専用ページから検索するよりも、通常会員ページでの検索の方が安くなる。別のブラウザで、同じ日付、搭乗クラス、発着を指定して検索してみたが、「楽天カード FreeBird」の方が高くなる。

このように、あまりメリットにはならないような特典については比較ポイントとしてはあげていないため、これまで紹介してきたポイントだけに注目して欲しい。楽天カード保有者も保有していない場合も上記項目をチェックすることで、申し込むべき楽天カードやアップグレード・ダウングレードの判断ができるだろう。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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