クレジットカード特集 コラム

有効期限切れじゃないのに新しいクレジットカードが送られてきた! IC化で変わることとは?

2020年1月14日

上のカードは、全て有効期限が残っているクレジットカードだが、新たなクレジットカードが送られてきた。

下の写真で左が旧カード、右が新カードだ。旧カードの有効期限は21年までとなるため、まだ有効期限が残っている。

それにもかかわらず新しいクレジットカードが送られてきたのは、ICカードへの切り替えのためだ。右のカードにはICチップが搭載されているが、左のカードにはICが搭載されていない。

セブンカード・プラスの更新カードと一緒に入っていた説明用紙にも「ICカードへの切替のため、有効期限よりも早い時期に更新カードをお届けしています」とある。

このICカードへの切替が進んでいるのは2020年3月までに「クレジットカードの100%IC化」が必要のためだ。また、同じ時期まで決済端末の100%IC対応も実施される。これまで、クレディセゾンはICチップ搭載をしてこなかったが、年末頃から一気に新たなICチップ付きカードの発送が始まっている。

最近、コンビニのレジでもクレジットカード決済しようとすると、レジに差し込むタイプになっている。これは、決済端末もIC対応しなければならないためだろう。

磁気カードは簡単に偽造できるため、偽造カードを使わせない目的としてIC化が行われている。利用者は決済時に4桁のPIN番号を入力して決済するが、IC化が進んで導入されているアメリカ(ハワイ)に行ったときに、ほぼどのお店でもPIN番号での決済となった。

日本クレジット協会によると、クレジットカードの被害額は年々増加しているが、偽造カードでの被害額は減りつつある。これはIC化の効果だろう。

なお、2020年3月までのICカード化した後でも、サインが必要な場合はしばらく続くのではないだろうか。レストランでのテーブル会計が代表例だ。

ほぼPIN番号での決済になっていたハワイでも、レストランは2019年末時点でテーブル会計だった。伝票が渡され、金額を確認。カードを渡してレシートにチップの金額を記入してサインする。レストランでの食事では今でもサイン決済がほとんどだ。

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日本のレストランでもテーブル会計のお店もあり、このようなお店がレジでの会計またはモバイル端末での決済に切り替えてくるかは未知数となる。

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なお、利用者にとってはPIN番号を入力するかサインを書くかの違いだけで、決済額が変わることもない。ICカードの利用で大きく変わるのは加盟店だ。

ICチップが搭載されたクレジットカードにもかかわらず、ICを利用せずに決済した場合、不正利用が起きた被害額は店舗負担となる。

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しかし、ICで決済した場合の不正利用額の負担はカード発行会社だ。高級レストランなどでは雰囲気などもあるため、今後もサイン決済が続く可能性もあるが、店舗負担を考えるとモバイル端末をテーブルまで持ってきてPIN番号決済になっていくかもしれない。

いずれにせよ、PIN番号での決済が主流となっていくため、今までPIN番号での決済を行っておらず、新たなICチップ付きのカードが送られてきた場合は、利用する前にPIN番号を確認しておこう。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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