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クレジットカード不正利用の被害者って結局誰なの? 警察の調査結果は?

クレジットカード不正利用の被害者って結局誰なの? 警察の調査結果は?

アメックスは短期間で不正利用を解決

2019年1月末にアメックスのビジネス・プラチナ・カードで不正利用にあい、被害に気がついてから10日も経たないうちに金銭的には解決した。

  • 2019年01月27日 不正利用に気がつく、アメックスに電話
  • 2019年01月28日 Yahoo! JAPANにID調査依頼
  • 2019年02月01日 警察に行く
  • 2019年02月04日 アメックスによる利用金額調整

クレジットカードには60日間の不正利用に対する補償があるが、加盟店やカード会社、警察などへの問い合わせが長引いて60日を過ぎて補償対象外になったと言う話も聞いたことがある。それを考えると、アメックスは安心して利用できるカード会社だと感じた。

金銭的には解決したが、警察、Yahoo! JAPAN(カードの不正利用があったサービスを提供)、アメリカン・エキスプレス(カード発行会社)、それぞれに色々と問い合わせて、ようやく全容がわかってきたので紹介したい。

クレジットカード不正利用の被害者って誰?

今回の不正利用について図解すると次のようになる。

上記のクレジットカード利用者が(5)で利用明細に身に覚えのないものがあった場合、最初の被害者としてはカード利用者となるだろう。理由は金銭的に被害を受けているのはカード利用者のためだ。どこにも連絡せずに警察に行った場合は、被害届を出せるのではないだろうか。

続いて、カード会社に被害に遭ったことを伝えると、クレジットカード番号の変更があり、さらに60日以内の不正利用については以下の(7)のように利用料金を調整し、原則補償される。

今回は6,000円程度の被害があり、こちらが補償された。筆者も次回の明細で調整されている。

ここで“被害者”について考えると、被害者カード利用者から、クレジットカード会社に移る。つまり、補償を受けたカード利用者は被害者ではなくなり、金銭的に補償をしたカード会社が被害者となるわけだ。

筆者が交番に行き、「被害届を出せますか」と聞いたときに、「この場合はカード会社が被害者なので、カード利用者からは被害届を出せません。カード会社から被害届を出してもらう必要があります」と言われたのは筆者は既にカード会社に連絡済みであった(ここまで考えての発言ではないと思う)ためだろう。

しかし、クレジットカードの利用規約には、不正利用被害に遭った場合は、警察署に連絡してから、被害届の番号を伝える、とある。このことをカード会社に連絡すると、「カード会社から被害届を出すことはありません」と言われた。

「カード会社はカード利用者が警察に被害届を出す」「警察はカード利用者は被害者ではなく、カード会社が被害届を出す」と矛盾した回答となったため、これまでの経緯をカード会社の担当者に説明し、カード会社のスタンスを再度確認してもらうことにした。

数日後に連絡があり、「カード会社は被害者ではありません。今回の場合の被害者は加盟店であるYahoo! JAPANとなります。従って、カード会社が被害届を出すことはありません」という回答をもらった。

2月4日に行われた金額調整は、一時的にカード会社が補填したのだが、不正利用された金額(明細)は加盟店に差し戻される。つまり、加盟店が被害額を補填することになり、カード会社はその時点で被害者ではなくなる

結局、金銭的な被害者はYahoo! JAPANと言う事になり、カードの不正利用については加盟店が被害者と言う事だ。

つまり、被害届を出せるのは被害者であるYahoo! JAPANと言う事になる。では、Yahoo! JAPANは被害届を出すのだろうか。こちらもカード会社への調査、警察への調査依頼と並行して確認していたのだが、「Yahoo! JAPANから警察への被害届を出すことはありません」とのことだった。

これについては、「Yahoo! JAPANが被害者ですよ」と連絡したわけではないが、Yahoo! JAPANとして被害届を出すことはあるのかを確認したときの回答となっているため、そのまま被害届は出さないと思われる。

被害者なしで捜査できるの?

正直、被害額が6,000円程度という少額なので被害届を出しても割に合わないと考えているのかもしれないが、不正にカードを利用した人だけがトクをしている訳だ。

犯罪者だけがトクをすると言うのが納得できないと言う事で警察署に行ったわけだが、結局被害届は出せなかった。そのため、警察には調査依頼という形でお願いしているだけとなる。この調査依頼については受付の控えをもらったわけでもなく、いついつまでに連絡しますと言う事もない。時間があるときに調査すると言う事だ。

その時は「わかりました」と帰ってきたが、よく考えると個人情報の壁でどこまで調査できるのか疑問になった。CCCがTカードの情報を令状なしに提供したと言うニュースがあり、筆者もこの件についてテレビや雑誌などの取材を受けたが、今回の件は、まさにこの壁に阻まれるかもしれない。

今回、筆者は被害届を出したわけではない。被害者であるYahoo! JAPANも被害届は出さない。この状態で警察が該当するアカウントの情報開示を求めて、IPアドレスや氏名などの情報を提供するのだろうか。

「令状なしに個人情報を提供するなんてけしからん」と言う意見も多いのだが、Tカードの情報開示でも使われた捜査関係事項照会書でYahoo! JAPANへの問い合わせになるのではないだろうか。最近話題になっているので、捜査協力しないと言う事にもなりかねない。

個人情報保護も重要だが、犯人が野放しになる方が問題ではないかと個人的には思った内容だ。

警察による調査結果は?

結局、警察から連絡があり、犯人特定は難しいとのことだった。Yahoo! JAPANへの照会はできたようだが、照会結果が複数のIPアドレスや人物に繋がり、これ以上調べていっても1人に特定できることはないとのこと。

そもそも、管轄が違うため(届出は本来であれば地元警察だが、今回は渋谷警察に行ったため)、これ以上調査する場合は地元警察署に引き継ぐと言う事になるようだ。しかし、地元警察で調査しても結果は同じだろう、と言う事で調査終了という事になった。

結局、最初に聞いていたとおり「ネットの金融犯罪は99%犯人は捕まらない」と言う事は正しかったようだ。

今回は自分のクレジットカードが不正利用されたことで、色々確認することができたため、良い経験となった。

クレジットカードについてコメントを言っている人間だから「良い経験」と言えるが、一般利用者にとっては「クレジットカードは怖い」と思われた方もいるかもしれない。

しかし、60日間の補償がある事を考えると、利用明細をよく確認すれば現金よりも安全なツールと考える事もできる。カード会社のアプリやweb明細を活用して、早めに不正使用の被害を見つけられる環境にしておくのがおすすめだ。

About The Author

菊地崇仁

1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。社内システムの開発、Lモードの料金システム開発、フレッツ網の機器検証等に携わり2002年に退社。同年、友人と共に起業し、システムの設計・開発・運用を行う。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。ポイント探検倶楽部に掲載されているポイントは約230種類。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られる。 三児の父であり家計のやりくりをすべて担当。ポイントのみならず、クレジットカードや保険なども守備範囲で、近年は投資にも挑戦している。 45枚のクレジットカードを保有し、約70万円の年会費を支払っている。一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中だ。

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