8秒に1人が申し込んでいるという「楽天カード」。年会費が無料で還元率が1.0%。楽天Edyへのチャージで200円につき楽天スーパーポイントが2ポイント。2012年に設置された楽天の会員ランク「ダイヤモンド」になるにも楽天カードの保有条件がある。様々なメディアでも紹介され、ほぼ誰でも内容については知っているカードだろう。
この楽天カードにはワンランク上の「楽天プレミアムカード」も存在する。年会費は1万円+税だが、空港ラウンジの「プライオリティ・パス」(プレステージ)が付いている。この年会費でプレステージのプライオリティ・パスが付くカードは他にはない。プライオリティ・パスだけでも楽天プレミアムカードの価値はあるだろう。
ここまでは、様々なメディアなどでも紹介されているため、知っている人も多いのではないだろうか? しかし、楽天カードのラインナップは3つだ。「楽天カード」「楽天プレミアムカード」「楽天ブラックカード」となる。おそらく、「楽天ブラックカード」を知っている人は少ないだろう。「楽天プレミアムカード」がゴールドカードのレベルとなるため、「楽天ブラックカード」と言ってもプラチナカードのレベルとなる。
原則、インビテーション制だが、自分から申し込むことも可能だ(申し込みページ)。ただし、「ザ・クラス保有者なのに審査が落ちた」「三井住友プラチナカード保有者なのに審査が落ちた」など、なかなか審査が厳しいようだ。
今回は、楽天社員、いや楽天カード社員でも持っている人は少ないと思われる「楽天ブラックカード」を取り上げたい。
気になる年会費は3万円+税、家族カードは2枚まで無料だ。なお、国際ブランドはMasterCardのみとなっているため、楽天ブラックカードからのnanacoチャージは不可となる。
プライオリティ・パスで同伴者2名まで利用可能
海外の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」。一般的なプラチナカードに付いてる「プライオリティ・パス」はプレステージ会員となり、年会費無料(通常399ドル)で利用料(スタンダード会員、スタンダード・プラス会員は27ドル)も無料となっている。しかし、殆どの場合、本会員のみしか無料での利用ができない。同伴者は別途3,000円+税を支払っての利用となる。
しかし、「楽天ブラックカード」のプライオリティ・パスは同伴者2名まで無料だ。ただ、筆者もプライオリティ・パスはいくつか保有しているが、どれもカード券面は同じようなものだ。本会員以外の同伴者2名分をどのように無料にしているのか気になったので確認した。
- 空港で同伴者3名でラウンジに行き、プライオリティ・パスを提示する。
- バウチャーを受け取り、同伴者の人数が書かれるため確認する。
- 利用料金は登録しているクレジットカードから引き落とされるが、紐付けられたクレジットカードが楽天ブラックカードの場合は、本会員+2名分の利用料金を楽天カードが負担し、残り1名分の利用料だけが楽天ブラックカードから引き落とされる。
同伴者が2名までの場合は、請求されないという仕組みになっている。これは非常に珍しいサービスだろう。1人だけが無料でもなかなか使いにくい空港ラウンジだが、2名までの場合は使い道も多いだろう。
コンシェルジュサービスは付帯しない
年会費が3万円のカードでコンシェルジュサービスが付帯しないのも珍しい。通常のプラチナカードは、電話一本で旅行の手配、レストランの予約、花の手配、チケット予約等が可能だ。
年会費2万円+税のセゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードや、MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードでもコンシェルジュサービスは付帯している。
しかし、楽天ブラックカードにはコンシェルジュサービスは付帯しない。ただし、旅行手配は専用の国内宿泊予約センターがあり、電話1本で宿泊プランに合わせた宿泊施設の予約をしてもらえる。電話予約のため、楽天トラベルで通常付与されるポイントは獲得できない。クレジットカード利用のポイントのみとなるので注意が必要だ。
手荷物宅配サービス
クレジットカードによっては、海外旅行時に手荷物を1個まで自宅あてに無料で郵送してくれるサービスが付いているものもある。楽天ブラックカードの場合は、海外旅行時に、出発・帰国で指定の場所へ荷物を無料で送ることができるクーポンを利用可能だ。
利用できる空港は成田国際空港、羽田空港国際線、関西国際空港、中部国際空港となる。ただし、年2回までの利用となっている。出国時・帰国時に利用したい場合は、それぞれ1回のカウントとなるため、往復で利用すると1回の旅行のみの利用となる。
楽天グループでは3%のポイントゲット
通常、楽天グループでサービスを利用すると、100円(税抜・送料別)につき1ポイント貯まる。これは、どんな決済方法でも貯まるポイントだ。さらに、楽天カードで支払うと、クレジットカード利用で100円(税込)で1ポイント貯まる。この2%はどの楽天カードでも貯まるポイントとなる。
楽天プレミアムカードの場合は、楽天市場コース(特定日・特定曜日のみ「プレミアムカードデー」)、トラベルコース、エンタメコース(楽天VIDEO、楽天ブックス、楽天レンタル)のコースの名から1つ選ぶと、さらにそれぞれのポイントが+1%加算されるサービスもある。また誕生日月は楽天市場、楽天ブックスの利用でさらに+1%のポイントが貯まる。
楽天ブラックカードの場合は、楽天プレミアムカードのサービスを引き継ぐが、それぞれのコースを選ぶ必要がない。そのため、楽天市場では特定日・特定曜日で+1%、楽天トラベル、楽天VIDEO、楽天ブックス、楽天レンタルでも+1%のポイントが加算される。誕生日月も楽天市場、楽天ブックスの利用でさらに+1%のポイントが貯まる。
つまり、誕生日月に楽天ブラックカードを利用し、特定日・特定曜日に楽天市場を利用すると、4%分の楽天スーパーポイントを獲得することができる。ただし、それぞれでポイントの種類が異なる。
通常ポイント | 楽天市場での利用ポイント 楽天カード利用ポイント |
期間限定ポイント | プレミアムカードデーのポイント 誕生日月のポイント |
プレミアムカードデーや誕生日月のポイントが期間限定ポイントとなるのは残念だ。
番外編.「R」ロゴが白抜きに
特に、おトクでもなくサービスでもないため、番外編として紹介するが、通常、楽天のロゴ「○にR」は赤丸に白字の「R」となっている。楽天市場、楽天カード、楽天プレミアムカード、Rポイントカードを見てもらえれば分かる通り、全て同じロゴが採用されている。しかし、楽天ブラックカードの場合は、シルバーの○に黒字の「R」とロゴも変更されている。この辺りはこだわりが見える。
しかし、国際ブランドのロゴ、ICチップに対するカードの色を考えると、「楽(R)天」ロゴはゴールドのほうがしっくりくるのではないだろうか? (「最大還元率1.8%の「三井住友プラチナカード」は年会費に5,000円追加すると○○カードも手に入る」参照)
楽天カードらしい、シンプルな機能のみとなり、筆者が取得した時点では上記のサービスのみとなっている(+旅行保険)。今後、利用している際に、パンフレット等に掲載されていないようなサービスを発見できた場合は追記する予定だ。