クレジットカード特集 コラム

知らないところでクレジットカードが使われる「クレジットマスター」の被害に遭わないようにする方法は?

2019年3月15日

2019年3月14日(木)に、他人のクレジットカードを使って旅行をした2人が逮捕された。

手口は「クレジットマスター」とのこと。このクレジットマスターという手口は、10年以上も前から使われており、カード番号の規則性を利用して他人のカード番号を割り出す手口となる。

クレジットカードの先頭6桁はBIN番号で決まった数字になっているため、残り10桁程度のカード番号を割り出せば良いことになる。

このカード番号の規則性はネットで調べてもすぐに調べられるくらいのもので、丁寧に解説されているサイトも多い。筆者もチェックツールを作ってみたが、30分もかからずに作ることができた。

チェックツールに筆者のクレジットカード番号を入力し、正常なカード番号である事を確認する。適当にいじって正常なカード番号になるまで数字をいじればいくらでもカード番号を作ることができる。

つまり、他人のクレジットカード自体を盗む必要もなく、全く気がつかれずにカードを利用できると言うわけだ。もちろん、カード番号を割り出したとしても有効期限やセキュリティコードまでは割り出せない。

ただし、有効期限は最長でも5年程度。従って、最大で12ヵ月×5=60回確認すればカード番号+有効期限はチェックが可能だ。さらに、セキュリティコードも3桁または4桁のため、1,000回程度チェックすれば確認することができる。

最近のECサイトなどは間違った回数によりロックがかかる場合もあるが、PayPay騒動の時にもあったようにセキュリティコードのチェックが無制限という場合もある(既にPayPayは対策済み)。また、複数のECサイトで試せばロックかからずにチェックすることも可能だ。手作業で行うと時間がかかるが、機械的に処理すれば、カード番号+有効期限+セキュリティコードを割り出すこともできる。

最後はカード会員の氏名の割り出しとなる。数字ではないため名前まで割り出すことは不可能だろう。しかし、カード番号+有効期限+セキュリティコードだけで決済できるECサイトもあり、名前のチェックをしない場合(適当に入力しても通る)もある。以下は、あるECサイトの決済画面だが、カード番号と有効期限、セキュリティコードだけで決済が可能だ。

つまり、カードを金庫にしまおうが、シュレッダーで細断しようがクレジットマスターからは逃れられないと言う事になる。

前回、被害に遭った時にも書いたように、クレジットカードの不正利用はある物と考え、利用明細をこまめに確認するしか方法はない。また、楽天カードやエポスカードはクレジットカード利用時にメールで通知するサービスもある。このようなサービスを有効化しておくのも手だろう。クレジットカードは被害があって60日以内であれば補償の対象となる。

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国際ブランド付きプリペイドカードの場合は、アプリでカードをロックすることも可能だ。使うまではロックしておき、使う直前にロック解除するという使い方もおすすめだ。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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