コラム

2016年にポイント・マイレージで注目すべき業種はこれだ! (下)

前回は、2016年にポイント・マイレージで注目すべき業種としてコンビニ、電気・ガスを挙げたが、今回も2つの業種を紹介したい。

3.銀行

都市銀行としてポイントプログラムに力を入れているのが、りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行だ。クレディセゾンと提携し、サイトを経由するとポイントが貯まる「りそなクラブ.com」を2015年に開始した。銀行取引だけでなく、りそなクラブ.comを経由してネットショッピングするだけでポイントを貯められる仕組みとなり、貯めたポイントはマイルや他のポイントなどにも交換可能となっている。

また、2015年には新生銀行がTポイントをATM利用以外の銀行取引でもポイントが貯まるようにリニューアル。じぶん銀行もauユーザー向けに給与振込口座指定などでWALLETポイントを付与するサービスを開始。

スルガ銀行はTポイントが貯まるTポイント支店を開設し、楽天銀行も楽天スーパーポイントが貯まるハッピープログラムのリニューアルを行うなど、銀行でのポイント付与が加熱している。

2016年1月には住信SBIネット銀行が取引に応じてポイントが貯まる「スマートプログラム」を開始する予定となっており、今後も取引に応じてポイントを付与する銀行が増えていくものと思われる。

消費者にとっての銀行ポイントの魅力は、通信、電気・ガスと同じで自動的に貯まるポイントということだ。給与振込口座をじぶん銀行にするだけで毎月50 WALLETポイントを獲得できる。

また、通常の定期預金の場合は、利息に20.315%の税金がかかる。年利1%の定期預金だとしても、実際は0.8%弱しか受け取れない。しかし、ポイント付き定期預金の場合、ポイント付与分には税金がかからない。つまり、金利を低くし、ポイント付与を多くすることで、消費者が受け取れる利息を多くすることができるということだ。

4.駅ビル・百貨店

JR東日本のアトレとグランデュオ等の駅ビルのポイントを統合したJRE POINTが2016年2月23日(火)より開始する。開始当初のインパクトはそれほどないが、今後電子マネーのSuicaポイントやクレジットカードのビューサンクスポイントが統合されることも発表されており、統合した時には怖い存在になるだろう。

また、三越伊勢丹がエムアイカードのリニューアルを発表している。従来は、エムアイカードを三越・伊勢丹で利用すると5%OFFの優待があったが、5%ポイント還元に変更となる。ただし、従来のエムアイカードポイントは1,000ポイント貯まらなければエムアイカードポイント券に交換できず、ポイントが使いにくかったが、リニューアル後は1ポイントからレジで利用できるように改善される。

また、エムアイカードで貯めたエムアイカードポイントはANAとJALのマイルに交換できるサービスも開始される。野村不動産との提携カードやJALとの提携カードも検討されており、エムアイカードでは富裕層の開拓を行う事になる。

三越伊勢丹としては富裕層だけでなくTポイントサービスも開始する予定もあり、多方面からの集客を図る。

筆者がエムアイカードに注目しているのは、ANAやJALとのマイレージ相互交換だけでなく、ポイントプログラムのリニューアル時期にある。ポイントプログラムのリニューアルが2016年4月となり、電力自由化と重なるのだ。つまり、電力会社とエムアイカードの提携があるのではないかと予想している。

新電力陣営にとっては、電気料金が高い世帯を効果的に取得したいはずであり、百貨店カードとの提携の可能性は高いだろう。


ポイントプログラムを見ていると、経済のこともわかってくる。例えば、2015年9月14日(月)にはミュゼプラチナムが楽天ポイントカードの加盟店から外れた。以前より、ニュース記事でミュゼプラチナムについての報道があったが、加盟店契約を終了するということは、報道がある程度あっているのではと想像できる。

また、しゃぶしゃぶ温野菜で楽天ポイントカードが開始というニュースでは、同じ会社が運営している牛角が採用しているTカードの事を考えることになる。この場合、Tポイントと楽天スーパーポイントの効果測定が可能になるため、同社の動向に注目すべきだろう。

ポイ探では今まで通り、消費者向けにポイントのおトク活用術を紹介していく。ただし、今後は消費者目線でのポイント業界動向も定期的に配信したいと考えている。あくまでも消費者目線での配信となるため、企業のポイント活用方法を相談したいという場合は、野村総合研究所などに行くことをおすすめする。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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