三井住友カードや三井住友銀行のVポイントとTポイントが統合するとのニュースがある。各メディアが取り上げている内容によると、2024年春に統合されるとのことだ。なお、ニュースリリースを見る限りでは、統合時期は書かれていない。
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TポイントとVポイントが統合予定
SMBCグループとCCCグループは、2022年10月3日(月)に、資本・業務提携に関し、基本合意書を締結した。12月末までに資本・業務提携契約の締結を予定している。 両社グループの強みを掛け合わせ、互 ...
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最近はTポイントのひとり負け状態が続いているが、ひとり負け状態を何とか打開するための提携としてVポイントとの統合と言う事だろう。
Vポイント側のメリット
Vポイントは三井住友カード、三井住友銀行、プロミスのポイントでたまるポイントとなり、三井住友カード(NL)などの場合は、大手コンビニ3社で最大5%のVポイントを獲得できる。また、家族ポイントに登録していると、最大10%還元までアップする。
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家族ポイントに設定した三井住友カードをコンビニで使って、+1%のVポイント(合計6%還元)を確認してみた!
先日、三井住友カードの新たな特典である「家族ポイント」の申込を行った。 家族が承認した翌日に、家族ポイントの照会を確認すると、現在の「家族人数」と「ポイント倍率」を確認できた。 家族ポイントの登録状況 ...
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同じくVポイントがたまる三井住友カード プラチナプリファードの場合、キャンペーンや提携店も豊富で、日常の買い物、旅行などでザクザクポイントがたまる。
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ポイント特化型プラチナカード「三井住友カード プラチナプリファード」は本物だった! 期間限定でAmazon.co.jpが10%還元も!
ポイント特化型のプラチナカードとして三井住友カード プラチナプリファードが誕生してから約1年経過した。 筆者も申し込み、一休.comやHotels.comで利用した事でポイントがどんどん貯まっている。 ...
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筆者が2021年で1年間にためたポイントは190,949ポイントとなり、たまりやすいポイントと言う事がわかるだろう。
たまったVポイントは、Vポイントアプリにチャージすれば1ポイント=1円としてVisa加盟店で利用できる。Vポイントを利用料金に充当すれば、1ポイント=1円として値引きとして利用可能だ。
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三井住友カードのVポイントアプリで最大2,000円相当が還元された! Vポイントからのチャージで20%増量分と合わせると約25,000円分おトクに!
三井住友カードでは、2021年2月1日(月)~3月31日(水)の期間限定で、スマートフォンアプリ「Vポイント」のリリース記念を実施していた。 Vポイントのアプリをダウンロードし、クレジットカードまたは ...
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おそらく、Vポイントはたまりやすくなっているが、使い方がわからない人が多いのではないだろうか。たまりやすいが使えないポイントの場合、わざわざそのポイントをためようとはしない。共通ポイントに求められている事は、たまりやすいではなく、使いやすいポイントとなる。
その点、知名度の高いTポイントと統合する事でたまりやすく、使いやすいポイント化が可能となる。街ナカで共通ポイントのアンケートを行うと、最も知名度が高いのはTポイントになるだろう。歴史もあり、Pontaポイントが誕生するまでは1強時代が7年続いたためだ。
また、5%等の還元を受けるには、三井住友カードのクレジットカードが必要となり、カード会員拡大にもつながる。
これは、auとPontaの統合と同じような感じだろう。auもau WALLETプリペイドカード(現au PAYプリペイドカード)にau WALLETポイントをチャージさえすれば、Mastercard加盟店で利用できた。
Mastercard加盟店の方がPonta加盟店よりも多いが、知名度や使い勝手などを考えてた場合は、Pontaポイントと統合した方が良いと言う判断だったのではないだろうか。今回のVポイントも、VポイントアプリにチャージすればVisa加盟店で利用できるが、Tポイントと統合した方が知名度などがアップすると言う判断だと思われる。
Tポイント側のメリット
共通ポイントの最大の特徴は送客力にある。A店からB店に、B店からC店にお客さんを送ることが共通ポイントに求められている事だ。
現在、Tポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、dポイントの共通ポイントがあるが、Pontaポイントやdポイント、楽天ポイントについては、他のサービスなどで大量ポイントを発行し、そのポイントを共通ポイントの加盟店に送客している。一方、Tポイントはポイントをガンガン発行し、加盟店に送客できる仕組みはない。
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明暗が分かれたTポイントとPontaポイント Tポイントはどこに向かうのか
ヤフーサービスでのTポイントからPayPayボーナスの変更は既定路線 2022年4月以降にYahoo!ショッピングやPayPayモールでTポイントではなくPayPayボーナスが貯まるようになる。 また ...
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Vポイントと同じように2021年の1年間でためたTポイントを計算すると4,189ポイント。1年間でためた楽天ポイントは63,646ポイントとなっており、楽天ポイントの1/10以下しかためられていない。
このたまりにくいポイントを救済するのが、ガンガンポイントを発行し始めている三井住友カードのVポイントとなる。大手コンビニ3社とマクドナルドに加え、2022年10月以降、セイコーマート、ポプラ、すき家、はま寿司、ドトール、エクセルシオールカフェ、サイゼリヤ、ココス、かっぱ寿司でも5%還元のサービスを開始した。
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三井住友カード、ポイント最大5%還元の対象加盟店を追加 ドトールやサイゼリヤ等が対象に
三井住友カードは、2022年10月より、最大5%還元のポイントがたまる対象加盟店と対象カードを追加した。 従来は、三井住友カード(NL)などでタッチ決済を利用すると、セブン-イレブン、ファミリーマート ...
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5%還元の加盟店が今後どれだけ増えるかに注目したいが、5%還元で気になる加盟店はドトール、エクセルシオールカフェだ。以前、共通ポイントとしてはTポイントからdポイントに切り替えたが、三井住友カードの5%還元が対象となると、Tポイントの復活も出てくるかもしれない。
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Tポイントは崩壊寸前? 大手加盟店がTポイントを辞めた理由を考える
大手加盟店が続々とTポイント離脱 アルペンがTポイントから楽天スーパーポイントにポイントを切り替えると発表、ドトールがTポイントをやめてドトール バリューカードに集中すると発表、ファミリーマートがTポ ...
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消費者側のメリット・デメリット
Vポイントは大手コンビニ3社やファストフード、レストランなどで5%還元を行っているため、他の共通ポイントもコンビニでの特典などが増えていく可能性がある。
Tポイントのいきおいが増すと、複数の共通ポイントを導入する店舗も増える可能性もあり、その場合は、自分の好きなポイントをためやすくなる。
提携の懸念点
今回の統合で気になるところは、新ブランドの立ち上げだ。Tポイントという抜群の知名度ではないブランドの立ち上げの場合、「Vポイントって何?」と同じような感じになってしまう。
また、TポイントとVポイントには携帯電話のキャリアがなく、またネットショッピングにも弱い。これらの弱みを補うのが、コンビニに加え、カフェ、ファストフード、回転ずしなど、幅広い加盟店での5%還元特典や三井住友カード プラチナプリファードなどのポイント特化型クレジットカードとなるが、どれだけこの2つの業種の穴を埋められるかは気になるところだ。
さらに、SMBCグループとCCCグループがそれぞれ同じようなサービスを開始し、ライバルとなるようなサービスを複数リリースした場合などは提携関係にひびが入る。
例えば、Tポイントがたまるクレジットカードはポケットカード発行のTカード プラス、ジャックス発行のTカード Primeなどもあり、三井住友カードが公式カードとしてTポイントのwebサイトなどで推していく場合は、これらのカードをどうするのかなど気になるサービスがいくつかある。
一度TポイントとYahoo!ポイントの統合で失敗しているため、提携についてはうまくいっているときは良いが、一度歯車がずれると一気に崩壊する可能性がある。
現時点では、Pontaポイントとauの統合はうまくいっているように見えるため、同じような構図のTポイントとVポイントにも期待したい。