楽天キャッシュを他の電子マネーと比較してみよう
先日、楽天キャッシュとは何かを紹介した。
疑問に思われている「楽天ポイントとの違い」や「楽天Edyとの違い」等を解説したのだが、2022年6月16日(木)に記者向けに行われた勉強会でも、なぜ「楽天キャッシュ」の必要があるのか理解されないようだった。
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使い方やチャージ方法が増えてきた「楽天キャッシュ」って何? 楽天ポイントとの違いは? チャージ方法などをまとめてみた!
楽天キャッシュって何? 楽天キャッシュは2008年2月26日(火)にサービスを開始したオンラインの電子マネーとなる。楽天グループで利用でき、電子メールなどで送ったり、換金できるサービスとしてスタート。 ...
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実は、筆者も楽天キャッシュはわかりにくいとは思っていたのだが、PayPay残高やAmazonギフト券と比較すると仕組みは同じ事がわかってくる。PayPay残高はPayPay銀行やPayPayカードなどからチャージして利用する。残高を利用するとPayPayポイントを獲得可能だ。PayPayポイントはPayPay残高と一緒に利用する事ができる。
楽天ペイ | PayPay | |
出金可能な残高(要本人確認) | 楽天キャッシュ(プレミアム型) | PayPayマネー |
出金できない残高 | 楽天キャッシュ(基本型) | PayPayマネーライト |
通常ポイント | 楽天ポイント | PayPayポイント |
それぞれのポイントに期限のあるポイント | 期間限定ポイント | PayPayボーナスライト |
また、「わざわざ楽天キャッシュにチャージして利用する意味がわからない」と言う意見も多かったのだが、PayPayに対して同じ事を言う人は少ないだろう。PayPayも登録済みのクレジットカードで支払う事ができる。ただし、多くのキャンペーンはPayPay残高で支払った場合やPayPayカードで支払った場合が対象だ。
2022年1月1日(土)~6月30日(木)まで実施している「ペイペイジャンボ」を見てみよう。対象店舗でPayPayを2,000円以上利用すると抽選で最大半額のPayPayポイントが還元されるキャンペーンだ。このキャンペーンで対象となる支払方法は、以下の4つとなり、PayPayカード(旧Yahoo! JAPANカード含む)以外のクレジットカードはキャンペーンの対象外となる。
- PayPayあと払い
- PayPayカード(旧Yahoo! JAPANカード含む)
- PayPay残高
- PayPayあと払い(一括のみ)
つまり、基本的にはPayPay残高で払っていればキャンペーン対象となるため、PayPayはチャージして使っていれば良い。同じように楽天ペイも楽天キャッシュにチャージして使っていれば楽天カードで直接支払うよりも+0.5%還元となるため、チャージして使えば良い。
実店舗での利用はできないが、オンラインでチャージして利用できると考えれば楽天キャッシュはAmazonギフト券にも近い存在だろう。クレジットカードやコンビニなどでAmazonアカウントに登録したAmazonギフト券は、Amazonでの購入時に利用できる。Amazon Payを利用すれば、他のオンラインショッピングでも利用可能だ。
Amazon PayでもAmazonギフト券を利用するとプライム会員の場合は1%還元するサービス(それ以外は0.5%)も実施しており、やはりチャージして使う方がおトクとなる。
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Amazonのプライム会員が対象ショップでAmazon Payを利用すると1%のAmazonギフト券を還元するサービスを開始
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以下は楽天キャッシュとAmazonギフト券、PayPay残高の比較表だ。
楽天キャッシュ | Amazonギフト券 | PayPay残高 | |||||
プレミアム型 | 基本型 | プライム会員 | それ以外 | PayPayマネー | PayPayマネーライト | ||
有効期限 | 最終変動日から10年 | 10年 | なし | ||||
チャージ方法 | クレジットカード | × | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
銀行 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | △※1 | |
コンビニ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | △※1 | |
その他、報酬等 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
Payで支払った場合 | オフライン | 1.0% | ─ | 0.5~1.5% | |||
オンライン | 1.0% | 1.0% | 0.5% | 0.5~1.5% | |||
送金 | ○ | × | ○ | ||||
出金 | ○ | × | × | ○ | × |
※1 本人確認前にチャージした場合はPayPayマネーではなくPayPayマネーライトになる
チャージするとおトクなのはわかった 何でチャージすればおトクなの?
なぜ、チャージ(入金)して使えばおトクになるのか。企業側で考えると2点あるのではないだろうか。
チャージすれば辞めにくくなると言うのが1点目。クレジットカードに紐付けて支払った場合は、残高がないため辞めやすい。一方、チャージしている場合は、残高を使い切らなければ退会しにくい。残高が0円になるように利用するか、出金(払出)してから辞めるかだが、出金するには手数料がかかる場合がほとんどのため、一度利用すると、なかなか辞められない。
従って、○○ペイを試してみたいと言う場合は、楽天ペイ(アプリ決済)でクレジットカードでの支払いに設定するのがオススメだ。使いにくいと感じた場合は、アプリ自体を消せばすぐに辞められる。使えそうと思えば、おトクになる楽天キャッシュにチャージして利用すれば良い。
チャージにより囲い込む事ができ、さらに、その残高が使われる事になるため、売上予想なども立てやすくなるのが2点目。スターバックスやドトールなどでもスターバックスカードやドトールバリューカードのプリペイドカードがあり、通常の支払方法よりも還元率が高い。スターバックスカードの場合はチャージするクレジットカードによっては5%還元なども可能だ。囲い込み+売上予想が立てやすいため、企業にとっての電子マネー導入はメリットがあるだろう。
他にも企業側にとってのメリットはあるのかもしれないが、筆者の考えとしては、上記の2点が最近企業が積極的に電子マネーを活用している理由だ。