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Ponta正念場(下) -なぜ正念場なのはPontaだけなのか?ー

2015年8月10日

先日、「Ponta正念場(上)」「Ponta正念場(中)」を書いたが、なぜPontaだけが正念場を迎えているのだろうか?

まず、Rポイントカードを考えてみよう。2回とも引用したアンケート結果の通り、消費者が楽天スーパーポイントとTポイント、Pontaポイントでどれか1つを選ぶといった場合、5割り弱が楽天スーパーポイントを選んでいる。つまり、ローソンのように共通ポイントカードの選択制になったとしても、楽天スーパーポイントが圧倒的に有利なのだ。

次に、Tポイント陣営を見てみよう。こちらは、Tポイント・ジャパンへの出資という形で離脱を防いでいる。まず、2013年4月26日(金)にCCCがTポイントプログラム運営事業を新会社「Tポイント・ジャパン」に分割。その際、Tポイント・ジャパンにYahoo! JAPANが15%の出資を行った。

2015年3月25日(水)には、ソフトバンクがTポイント・ジャパンへの出資を行い、Yahoo! JAPANは出資比率を2.5%引き上げた。出資比率は、ソフトバンク、Yahoo! JAPAN共に17.5%となっている。

さらに、2015年8月6日(木)に、ファミリーマートが同じくTポイント・ジャパンへの資本参加を発表。Tポイント・ジャパンの株式15%を取得する。おそらく、出資比率は以下のようになっているだろう。

株主名 出資比率
CCCマーケティング 50.0%
Yahoo! JAPAN 17.5%
ソフトバンク 17.5%
ファミリーマート 15.0%

つまり、これらの企業ではTポイント以外を受け付けないという意思表示だ。今回の資本参加で共通ポイントの一番の利用先であるコンビニのファミリーマートがTポイント陣営から離脱することが無くなり、かつ、サークルKサンクスがファミリーマートに吸収された場合でも、RポイントカードとTカードの選択制になる可能性は非常に低くなったということだ。

なお、ページ上部に掲載した共通ポイント三国志のイメージ図は昨年作成したものだ。加盟店数で考えると、魏がTカード、呉がPontaカード、蜀がRポイントカードになるはずだが、今後の勢いなども考慮して、魏をRポイントカード、呉をTカード、蜀をPontaカードとした図を掲載した。当時は「違和感がある」というコメントがあったが、上記イメージが現実的になりつつあるのではないだろうか。

ただし、今後も同じような状態が続くとも限らない。2016年の電力自由化でWAONポイント、nanacoポイント等が頭角を現す可能性が高い。ポイント業界は"三国志"と言うよりは"群雄割拠"に変わりつつあるのだ。
⇒「電力自由化で変わるポイント業界図 共通ポイントに挑むポイントとは?」参照

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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