日本クレジット協会では、2014年以降のクレジットカード不正利用被害額を公表しているが、年々被害額が増えている。
増えているのが「番号盗用被害」だ。特に2021年以降は番号盗用が93%を超えており、クレジットカードの不正利用被害はほとんど「番号盗用」と言っても良い。
では、「番号盗用」とは何か。クレジットカードの番号、名前、有効期限、セキュリティコードが何らかの形で盗まれる被害となり、いくつかのパターンが考えられる。
- 物理カードの写真・動画撮影
- フィッシング
- クレジットマスター
■物理カードの写真・動画撮影
最近は、スマートフォンや監視カメラなどの解像度が高くなっていることで、カードを財布から出しただけでも情報が漏えいする事もある。そのため、最近のクレジットカードなどは、カード情報が券面になかったり、カード情報が裏面に記載されていたりしており、少しでも安心して決済できるように工夫されている。
■フィッシング
フィッシング詐欺も増えており、カード会社やオンラインショッピングサイトから「決済できませんでした」のようなメールが届き、ログイン情報やカード情報などを盗む手口も増加している。
アカウントを停止しました、延滞しています、などの焦らせるような内容が多く、以前のようにおかしな日本語ではないため、簡単には見分けが付かない。
今回の「じぶん銀行スマホデビット」は物理カードはないため写真などでの漏えいではない。また、フィッシングメールは毎日のように届き、筆者は怪しいメールの場合、ヘッダなども確認する癖があるため、これもないはずだ。
今回の「じぶん銀行スマホデビット」は3番目のクレジットマスターで確定だろう。
後半では、クレジットマスターとはどのような手口なのか、どのように不正利用の対策をすれば良いのかを詳しく解説する。
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【後編】クレカなどの不正利用はかなり深刻!? 防ぎようのないクレジットマスターの手口とは? 不正利用対策を専門家が解説!(菊地崇仁)
前回は不正利用の大部分は「番号盗用」である事を紹介した。 「番号盗用」とはクレジットカードの番号、名前、有効期限、セキュリティコードが何らかの形で盗まれる被害となり、「物理カードの写真・動画撮影」「フ ...
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