Vポイント+Tポイント=青と黄色のVポイント 今までのTポイント・Vポイントとどう変わるの?

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Vポイント+Tポイント=青と黄色のVポイント 今までのTポイント・Vポイントとどう変わるの?

2023年春にTポイントとVポイントが統合する。名称はVポイントとなるが、ロゴの色味はTポイントの青と黄色が採用された。さすがにさまざまなメディアでも取り上げられている。

TポイントとVポイントが統合 名称は「Vポイント」に
TポイントとVポイントが統合 名称は「青と黄色のVポイント」に

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以前、筆者はTポイントの名称が残り、緑色のTロゴになると考えたこともあったが、その後名称はVポイントになるのだろうと感じていた。やはり予想通り「Tポイント」は消滅するが、三井住友グループが緑色を使わなかった点は驚いた。

Vポイントのアピールが半端ない! Tポイントは消滅するの? 「with T-POINT」が意味するところは?
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TポイントとVポイントが統合されるとどんなことが起きるのか。

会見ではそれぞれの経済圏での会員数比較なども行い、最大級のポイントプログラムが誕生すると発表していたが、Vポイント利用者+Tポイント利用者の重複を排除していないのであればあまり意味のない数字だろう。

Tポイントのみ利用していた人、Vポイントのみ利用していた人、TポイントとVポイントを利用していた人で統合の意味合いは変わってくるため、それぞれで考えて見たい。

Tポイントのみ利用していた人のメリット

新Vポイントでは、現在のTポイントをチャージすることでVisa加盟店で利用できるようになる。

おそらく、現在のモバイルTカードのアプリにVポイントアプリの機能が搭載され、Visaプリペイドが発行されるのだろう。Visaプリペイド番号が発行され、Apple PayやGoogle Payに登録して実店舗での利用ができるようになると思われる。

三井住友カード、VポイントをVisa加盟店で利用できるサービスを開始
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これまでTポイントのみ利用していた人には、TポイントをVisa加盟店で利用できるようになるため、ポイントを使える場所が増えるのがメリットだ。

なお、Tポイントをより多くためたい場合は、対象コンビニ・飲食店でタッチ決済すると最大5%(2023年7月以降はスマホのタッチ決済で最大7%)となる三井住友カード(NL)などを申し込むとよい。三井住友カード(NL)は年会費無料のため作るデメリットはほとんどない。

三井住友カード、対象コンビニや飲食店で最大5%還元サービスを2023年7月より条件を変更 タッチ決済で7%還元に
三井住友カード、対象コンビニや飲食店で最大5%還元サービスを2023年7月より条件を変更 スマートフォンのタッチ決済で7%還元に

三井住友カードは、2023年7月1日(土)利用分より、対象コンビニや飲食店で最大5%還元となるサービスの支払い方法や還元率を変更する。 2023年6月30日(金)まではカード・スマートフォンでVisa ...

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Vポイントのみ利用していた人のメリット

三井住友カードのみ利用し、Tカードを使っていなかった人は、Tポイントの加盟店で新Vポイントカードアプリを提示すれば0.5~1%分のポイントを多く獲得できるようになる。

なお、新Vポイントへの統合後は、Tポイント加盟店で三井住友カードのクレジットカードを利用すると、通常よりも0.5~1%程度上乗せする特典も予定されている。

Tカード提示 三井住友カード決済 ボーナスポイント 合計
統合前 0.5% 0.5% 1.0%
統合後 0.5% 0.5% +0.5~1% 1.5~2.0%

また、共通ポイントカードの「Vポイントカード」を提示し忘れても、三井住友カードの対象カードで決済すると、提示分のポイントも獲得できたりVpassアプリで後日ポイント獲得申請できる「あとたま」を開始したりする予定だ。

この機能が搭載されると、これまでTカードを提示するのが面倒だったり、Tカードを提示するのを忘れたりしていても、提示分のポイントも獲得できるようになり、旧Vポイント利用者は特に何も変更しなくても上乗せポイントを獲得できるメリットとなる。

TポイントとVポイントを利用していた人のメリット

既にVポイントを利用していた人にとってみると、Vポイントを現在のTポイントの加盟店で利用できるようになるだけで、それほど大きなインパクトはない。

これまで通り、Tポイントの加盟店では新「Vポイントカード」を提示し、三井住友カードで決済すればよい。

ただし、対象コンビニや飲食店で大きくためたVポイントをウエルシアで利用できればウエル活がさらにやりやすくなる

Tポイントはウエルシア薬局やハックドラッグで利用すると1.5倍もおトク!

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また、「Vポイントのみ利用していた人」でも紹介したが、Tポイント提示+三井住友カード決済の場合は上乗せ分のポイントを獲得できたり、ポイントカードの提示を忘れても、対象の三井住友カードで支払っていれば、提示分のポイントも獲得できるようになったりする予定のため、TポイントとVポイントを利用していた人にもメリットはある。

共通ポイント加盟店・Tポイント運営会社・Vポイント運営会社のメリット

これまでのTポイントによる送客効果に不満があったため、さまざまな加盟店が離れていったのではないだろうか。

三井住友カードのVポイントとTポイントが統合? Vポイントは知名度を、Tポイントはポイント原資を得られる提携
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Vポイントはどんどんポイントを発行しており、この原資でTポイントの加盟店にも送客されはじめると、共通ポイント業界の力関係が大きく変わるかもしれない。送客力があれば、他の共通ポイントの加盟店が新Vポイントに切り替わる可能性もある。

対象コンビニ・飲食店で三井住友カードの対象カードをタッチ決済すると5%(7月以降はスマホのタッチ決済は7%)のポイントがたまるが、大きくVポイントを還元する加盟店で、他の共通ポイントを導入している場合、その加盟店はVポイント陣営にひっくり返る事もあるだろう。

注目したいのはドトールなどのTポイントから離れていった加盟店だ。ドトールはタッチ決済で5%の対象店舗となり、従来Tポイントの加盟店だったが、2019年6月にdポイントへと切り替えた。

ドトールコーヒー、dポイントの取扱を開始 Tポイントからの切替

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ドトールなどが現在のVポイントの送客力を魅力的に感じている場合、新Vポイントに戻るかもしれない。

Tポイント陣営はVポイントの原資で一気に復活するだろう。一方、現在のVポイント陣営は、やはりTポイントをもっとためたいユーザーに三井住友カード(NL)などを作らせる事ができる。対象のコンビニや飲食店で5%超のポイントをためられるアピールを7,000万人のTポイント利用者にすれば、カード加入者が一気に増える可能性もあるだろう。

新Vポイントの懸念点

新Vポイントでは、Vポイントを送り合ったり、残高を送金したり、家族で分け合えたりする機能も搭載する予定と発表があった。しかし、スマホの送金サービスではPayPayが圧倒的で、新たに送金サービスを提供してもなかなか使われないような気がする。

また、共通ポイントカードを提示しなくても共通ポイント分が自動的に取得できるサービスは便利で、これまでのVポイントのみ利用していた人や、VポイントとTポイントを併用していたが、Tポイントの提示を忘れていた人には、決済するだけでポイントが増える可能性があり利便性は向上する。

しかし、加盟店には微妙はサービスだろう。共通ポイントカードを提示していないにもかかわらずポイント分を負担しなければならない。その共通ポイントをためるために来店したのかを判断できず、共通ポイントの導入効果を判別できない。このあたりは2024年春の開始時にどうなるのかは気にしておきたい。


TポイントとVポイントの提携は、デメリットがほとんどない。ただし、開始当初はアカウント同士の連携をしなければ、おそらく別々のVポイントとして存在することになると思われるため、2024年春に統合された場合は、TポイントのアカウントとVポイントのアカウントの連携を忘れずに行おう。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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