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マイナポイントでの多重取りは「不当」? マイナポイントで2重取りはできないの?

先日、ポイ探ニュース編集部宛にメールが届き、「対象事業者からのKyashチャージは、多重受け取りの可能性があり、マイナポイントの対象にならない可能性があるという記載を確認したので調べて欲しい」というメールが届いた。

確認してみると確かにKyashの「マイナポイントについて」のページに書かれていた。

マイナポイント参加事業者が発行するカードによるチャージは、多重取り防止のため対象外となる可能性があります

マイナポイント参加事業者が発行するカードによるチャージは、多重取り防止のため対象外となる可能性があります

メールの依頼者は、「Kyashでdカードによるチャージでマイナポイントを得ようと思っているが、これは不正となるのか」という事だ。

まず、マイナポイントでKyashを登録し、dカードでチャージしたとしても、Kyashで25%還元(上限5,000ポイント)、dカード利用で25%還元(上限5,000ポイント)と言う事にはならない。Kyashもdカードもマイナポイントの対象決済事業者だが、マイナポイントとしてKyashを登録した場合はKyashの条件でのみ25%対象となるためだ。

では、「マイナポイント参加事業者が発行するカードによるチャージは、多重取り防止のため対象外となる可能性があります」とは何を意味しているのだろうか。

SIIが提供している「マイナポイント事業 マイナポイント付与補助 公募要領」の14ページの7番には「単一決済でポイントを多重に取得した」ケースに対して「不当」とある。

マイナポイントの多重取りは「不当」

マイナポイントの多重取りは「不当」

 

おそらく、Kyashで書いているのは上記の「不当」に対する文言だろう。

では、Kyashをマイナポイントとして登録し、dカードを登録した場合は2重取りとなるために「不当」になるのだろうか。

ここでの「不当」とは「マイナポイント自体」の多重取りを意味しており、Kyashにdカードを登録したり、au PAYにau PAYカードからチャージするなどは問題ない。

では、「マイナポイント自体の多重取り」とはどんなことだろうか。例えば、Aさんと配偶者で次のような仕組みを作る。Aさんの楽天カードを家族のマイナポイントとして紐付ける(図の1)。Aさんのマイナポイントとして楽天ペイ(アプリ決済)を登録する(図の2)。次に、Aさんの楽天ペイ(アプリ決済)にAさんの楽天カードを登録し(図の3)、楽天ペイで支払う(図の4)。

マイナポイント自体の多重取りの仕組み

マイナポイント自体の多重取りの仕組み

この場合、Aさんの楽天ペイで2万円を利用すると自動的に楽天カードからも2万円の利用となるため、2万円の利用で楽天カードとして2万円利用した5,000ポイントと楽天ペイとして2万円利用した5,000ポイントをAさんが受け取ることが可能だ。このような事を「不当」と表記しており、決済事業者は対応しなければならないと言う事だ。

上記の方法は実際はできないはずで、本人名義以外のカードを他人のマイナポイントに登録する事はマイナポイント特約で禁止されている。

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もちろん、未就学児や小学生など、法定代理人が本人に代わって登録する場合は名義が異なっても問題ないと規約にもある。


Kyashに楽天カードやdカードを登録して、Kyashをマイナポイントに登録する事での2重取りは問題ないが、他人名義のマイナンバーカードやクレジットカードなどを使って、1人で複数のマイナポイントを獲得するとポイントを獲得できない場合がある、と言うことだ。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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