コラム プリペイドカード

JAL Global WALLETを申し込んで設定してみた 両替レートはおトクなの?

2018年11月29日(木)より、両替や決済でJALのマイルが貯まるプリペイドカード「JAL Global WALLET」の発行が開始した。

筆者も、早速申し込んでカードが到着。実際に利用するところまでを紹介したい。

JAL Global WALLET(JGW)とは?

海外用のトラベルプリペイドカードとなり、事前にチャージした範囲内でMastercard加盟店で利用する事ができる。

日本円でチャージ後に、14通貨に両替すると、現地通貨で決済が可能だ。取扱通貨は日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、豪ドル、NZドル、カナダドル、香港ドル、タイバーツ、シンガポールドル、マレーシアリンギット、中国元、台湾ドル、韓国ウォン。

なお、ショッピング時に取扱の15通貨を利用する場合は手数料が発生しない。15通貨以外の通貨の場合は、利用時に4%の海外事務手数料が発生する。また、海外ATMを利用する場合は、1回あたり約200円の海外ATM手数料が発生する。

Mastercardコンタクトレスにも対応しているため、カードをかざして決済することも可能だ。日本では、ローソン、マクドナルド、TSUTAYAでコンタクトレス決済が可能となっている。

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プリペイドカードだが、紛失盗難補償が付帯するのも特徴だ。偽造・盗難などで第三者によってカードが不正利用された場合、年間10万円を上限として補償を受けられる。また、カードの盗難などが怖い場合は、アプリ上でON/OFFの設定ができるため、通常はOFFに設定し、利用するときだけONにする事で不正利用される可能性が低くなる。

また、ICチップも搭載し、3Dセキュアにも対応するなど、プリペイドカードにしてはセキュリティも考えられているカードとなる。

JAL Global WALLET(JGW)の初期設定は?

JAL Global WALLETが到着すると、初期設定を行う必要がある。初期設定を行うことでログインして利用する事が可能だ。

JAL Global WALLETの送られてきたときの書類に、「My JAL Global WALLET」にアクセスするQRコードがあるため、スマートフォンで読み込んでアクセスする。

右下の「初期設定はこちら」をクリックし、「会員規約」を確認。「上記内容に同意します」にチェックを入れて「次へボタン」をタップ。

JAL Global WALLETに表示されている「JMBお得意様番号」を入力し、「次へ」ボタンを押す。続いて、生年月日を入力し「次へ」ボタンをタップ。

JAL Global WALLETの「カード番号」「有効期限」「セキュリティコード」を入力し「次へ」ボタンをタップし、「電話番号」を入力し「次へ」をタップ。

最後に「ログインパスワード」を入力して「次へ」を押し、「メールアドレス」を入力後に「次へ」を押す。確認画面が表示されるため「確定」ボタンを押すことで仮登録が完了する。

メールアドレスに送られてきたリンクをクリックすると本登録を始める画面となる。5桁の「取引パスコード」を入力し「次へ」ボタンをタップ。

続いて、「セキュリティコード」を再度入力し、4桁の「暗証番号」を入力後に「次へ」ボタンをタップ後、確認画面で「確定」ボタンをタップすることで本登録が完了する。

これで、JAL Global WALLETの基本的な初期設定が完了だ。

JAL Global WALLET(JGW)のコースとは?

続いて、「コース設定へ」をタップして、「ショッピング+ATMコース」「ショッピング専用コース」を選択する。

「ショッピング+ATMコース」は海外ATMでの出金もできるコースとなり、利用限度額も高い。ショッピング専用コースは海外ATM出金はできないが、クレジットカードによるチャージが可能となるなどの違いがある。

ショッピング+ATMコース ショッピング専用コース
コース内容 国内外のショッピングに加え、海外ATMでの現地通貨引出が可能 国内外でのショッピング利用のみ
海外ATM出金の利用限度額 1回あたり 10万円 ×
1日あたり 30万円
1カ月かたり 30万円
ショッピングの利用限度額 1回当たり 100万円 30万円
1日あたり 100万円 30万円
1カ月あたり 100万円 30万円
チャージの限度額 1回当たり 100万円 30万円
1日当たり 100万円 30万円
1カ月当たり 100万円 30万円
マイル 両替 200円につき1マイル
ショッピング 200円(税込)につき1マイル
入会金・年会費 無料
チャージ手数料 住信SBIネット銀行口座振替 無料(外貨チャージは有料)
インターネットバンキング 1件につき200円(税抜)
銀行振込 1件につき200円(税抜)+各行の振込手数料
クレジットカード × 有料

コースの大きな違いは、利用できる限度額と海外ATMを使うかどうかだ。1カ月30万円以上利用する場合は「ショッピング+ATMコース」を選ぼう。

海外ATMを使うかわからない場合は「ショッピング専用コース」を選択しておくと良いだろう。「ショッピング専用コース」から「ショッピング+ATMコース」にはコース決定後も切替が可能だが、「ショッピング+ATMコース」から「ショッピング専用コース」への切替はできない。

今回はクレジットカードも利用する事を考え、「ショッピング専用コース」を選択した。

JAL Global WALLET(JGW)のチャージ設定(住信SBIネット銀行口座振替設定)

初期設定が終われば、JAL Global WALLETを利用するためにログインができる。ログイン直後は0円となっているため、チャージしなければ利用する事ができない。

これ以降は、JAL Global WALLETのアプリをダウンロードして、利用していくことにする。

アプリにログイン後、iPhoneの場合はTouch IDやFace IDの設定もできる。

ログイン後に、右上の「三」ボタンをタップし、「登録情報照会・変更」メニューを選択する。

まずは、「住信SBIネット銀行口座振替設定」メニューを選択。「未設定」となっているため「設定」ボタンをタップ。

「支店番号」「口座番号」を入力し「確認」ボタンをタップ。初期設定で設定した5桁の取引パスコードを入力し、「設定」ボタンをタップする。

住信SBIネット銀行のサイトに移動するため「ユーザーネーム」「WEBログインパスワード」を入力後「ログイン」ボタンをタップ。「JALペイメントポート」による口座振替の確認画面が表示されるため、住信SBIネット銀行の「取引パスワード」を入力し「利用規約に同意の上許可」をタップ。この取引パスワードは「JAL Global WALLET」のものではない。

続いて、住信SBIネット銀行の「スマート認証アプリ」で承認作業を行う。確認後「OK」ボタンをタップするとJAL Global WALLETに戻り「住信SBIネット銀行口座振替設定(完了)」のメッセージが表示される。

JAL Global WALLET(JGW)のチャージ設定(クレジットカード)

クレジットカードも登録しておこう。右上の「三」ボタンをタップし、「登録情報照会・変更」メニューを選択し、「クレジットカード情報設定」を選択。

「カード番号」「有効期限」「セキュリティコード」を入力後に「次へ NEXT」ボタンをタップし、「確認」ボタンをタップする。

本人認証画面が表示されるため、それぞれの発行会社のパスワードなどを入力すると「クレジットカード設定(完了)」のメッセージが表示される。

JAL Global WALLET(JGW)でチャージしてみる

住信SBIネット銀行口座振替とクレジットカードでのチャージが可能となり、それぞれチャージしてみることにする。

アプリにログイン後、右下の「+」をタップ。

チャージする方法を選択する画面が表示されるため「住信SBIネット銀行」をタップ。チャージする通貨を「JPY」を選択し、100円と入力してみたが「チャージ下限金額を下回っている」とエラーメッセージが出た。

チャージは1,000円以上となるようで、「1,000」をタップ。

「チャージ」ボタンを押すと、確認画面が表示されるため、「OK」ボタンを押すとTouch IDまたはFace ID認証を行ってチャージが完了する。

続いて、クレジットカードでチャージしてみる。チャージする方法を「クレジットカード」をタップし、「JPY」を選択。「1,000」をタップして「チャージ」ボタンを押すと確認画面が表示される。

今回は、ラグジュアリーカードを登録したため「手数料」として10円が引かれる(手数料については以下を参照)。1,000円を指定すると10円の手数料が引かれるため、実際にチャージされる金額は990円だ。問題なければ「OK」ボタンをタップする。

JAL Global WALLET(JGW)をクレジットカードでチャージするときの手数料は?

なお、クレジットカードチャージ時に手数料が発生したが、チャージ時の手数料については、以下の通り。

ブランド Mastercard Visa JCB その他
JALカード 0.324% 0.324%
セゾンカード 0.324% 0.324% 0.324%
UCカード 0.324% 0.324%
MUFGカード 0.324%
DCカード 0.324%
NICOSカード 0.324%
その他 1.08%

今回は、ラグジュアリーカードでチャージしたため、1.08%の手数料となり、1,000円で10円の手数料が引かれたと言う事だ。

なお、基本的にはクレジットカードでJAL Global WALLETにチャージするとクレジットカードのポイントは貯まらないが、おそらく「その他」の手数料が1.08%の場合は、ポイントが貯まるカードもあると思われる。ラグジュアリーカードでポイントが貯まるかは次回の請求時に確認してみたい。

手数料は1.08%となるが、1,000円でのチャージ手数料が10円と言う事は、手数料の小数点以下は切り捨てと言う事だろう。従って、1,018円までのチャージでは10円の手数料でチャージすることができると言う事だ。

JAL Global WALLET(JGW)での両替はおトク?

これが一番重要だが、JAL Global WALLETを使うかどうかは両替レートにかかっている。2018年12月14日(金)の11:12分頃に住信SBIネット銀行の外貨買付レートとJAL Global WALLETの両替レート、空港の両替レートを調べてみることにした。

通貨 住信SBIネット銀行の買付レート JAL Global WALLETの両替レート 空港の両替レート
米ドル 113.54 115.1518 116.13
ユーロ 129.01 131.2393 132.81
英ポンド 143.57 151.9207 154.62
豪ドル 81.78 87.19747 90.43
NZドル 77.44 83.34972 85.47
カナダドル 85.13 90.81513 93.68
スイスフラン 114.46 117.6337 119.27
香港ドル 14.59 16.28587 16.88
中国元 17.62931 18.14
韓国ウォン 0.11102 0.1135
台湾ドル 4.02021 4.1483
シンガポールドル 86.22107 87.66
マレーシアリンギット 30.32978 31.18
タイバーツ 3.76882 3.89

空港の両替レートよりも良いことを確認できた。では、クレジットカードで決済した場合はどうなるか。

2018年12月14日でMastercardの海外事務手数料(1.63%)を考慮すると、1米ドル=115.5276円となる。

JAL Global WALLETでの両替は、当日クレジットカードで利用した場合より、若干レートが良いことがわかる。

他の通貨でも確認してみよう。ユーロでは1 EUR=131.2031円、豪ドルは1 AUD=83.4454円、マレーシアリンギットは1 MYR=27.6246円だ。

豪ドルやマレーシアリンギットはクレジットカードの方が安く、クレジットカードの方がコストを抑えられそうだ。

JAL Global WALLET(JGW)のキャンペーンも

2018年12月3日(月)~2019年3月31日(日)までの間、JAL Global WALLETのリリース記念として、5,000円以上チャージすると、抽選で15名に40,000マイルが当たるキャンペーンを実施する。

今回は、住信SBIネット銀行で1,000円、ラグジュアリーカードで990円の合計1,990円のチャージのため、5,000円以上になるようにクレジットカードでチャージした。これで、キャンペーンの対象となるはずだ。

JAL Global WALLET(JGW)をロックして使ってみる

JAL Global WALLETはアプリでカードをロックすることができる。

「カードON」のボタンをタップすると、「⇒ スライドでカード利用OFF」のメッセージが出るため、スライドさせる。

そうすると、「カードOFF」となる。

この状態で支払ってみよう。

支払ってみたところ、登録メールアドレスに「【JAL Global WALLET】ご利用エラー発生のお知らせ」というメールが届いた。

特に、アプリ側での通知は無く、メールのみの通知となる。この辺りは、メールでの通知に加え、アプリでプッシュ通知があっても良いのでは無いだろうか。

もう一度、「カードOFF」ボタンをタップすると「⇒ スライドでカード利用再開」が出てくるため、矢印をスライドすることで「カードON」の状態に戻すことができる。

この状態で200円の支払を行うと、「ご利用速報」として正常に決済されている。

なお、マイルの獲得履歴には表示が無いため、「ご利用確定情報」となった場合にマイルを獲得できるのだろう。

カードのON/OFFを簡単に変更できるため、基本的にはOFFにしておき、利用前にONにして使うのが良いだろう。ただ、アプリで通知があれば、OFFの状態で決済しようとしたことがわかるだろうが、OFFにしていることを忘れていると、利用できないとパニックになるかもしれない。


両替レートを見ると、米ドル、ユーロに関してはほとんどクレジットカードと変わらない。他の通貨の場合はクレジットカードの方が有利になる場合が多いように思われるため、米ドル、ユーロを使うときに、クレジットカードを使うのが怖いと言うような場合にJAL Global WALLETを使うのが良いのではないか。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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