ANA(全日本空輸) JAL(日本航空) コラム テクニック マイレージ

陸マイラーを取り巻く環境変化について 改悪が多い中、いくつかの改善も

2016年5月2日

陸マイラーである筆者にとって、ここ1年ほどは環境変化の大きな年であったと感じている。「共通ポイントの合従連衡」であったり、各種カードで繰り返される還元率の改悪などは、広く知れ渡るところかもしれないが、もう少しミクロな動きを、筆者の経験と視点で述べてみたいと思う。

まず一つ目に言える事は「口コミ」もしくはその類の行為で得られるポイント(=マイル)の減少である。

「フォートラベルの改悪」「トリップアドバイザーの改悪」などは、これまでにも述べてきたが、その他のサイトでも小さな改悪であったり、実質的な改悪が行われ、購買行動を伴わずにマイルを貯めるのが難しくなって来ている。

以下にいくつかの具体例を記す。

アップルワールド

海外ホテル予約サイト。ホテルのクチコミでアップルポイントが得られる。アップルポイントは、JAL、ANAマイルを始め、各種ポイントに移行可能。

これまで年に何度か行われていたポイントアップキャンペーンが、ここ1年ほどは行われていない。また以前は、「すぐたま」経由で口コミを書く事により、「すぐたまのマイル」と「アップルポイント」の二重取りが可能であったが、すぐたまからの「入口」がなくなった。

ホテル・ジェーピー

ホテルのクチコミや写真投稿でポンタポイントが得られる。1投稿あたり得られるポンタポイント数は増えた(10?30ポイント)が、投稿に200文字以上のコメントが義務付けられたため、ポイント獲得までの手間が大幅に増えるとともに、ポイントを得にくくなった。

地球の歩き方

お馴染みのガイドブック「地球の歩き方」とコラボしたサイト。「すぐたま」経由で口コミを投稿すると「すぐたまマイル」が得られるが、口コミ投稿の前に「旅スケジュール」を登録しなければマイルがもらえないレギュレーションに変更された。「旅の記録」という目的には良いが、口コミを得るには大幅に時間を要するようになった。

とっておき旅情報

JTB系列の会社が運営する写真投稿サイト。1投稿によりトラベルポイント会員は50ポイント、旅カード会員は100ポイントが得られる。これらのポイントは、トラベルポイントを経由してJALマイルに2:1の比率で交換可能。

以前は「非承認」とされることが少なく、ポイントを得やすいサイトだったが、2015年8月頃から「非承認」とされる割合が大幅に増えた。恐らくは月間付与ポイント数に上限を定めたためと思われる。非承認の理由も「利用規約(第7条)に基づき、非承認とさせていただきます」というのみで、明確な理由が示されなくなった。また、承認されるまでの時間が長くなるなど、ユーザー(投稿者)にとってのストレスが大幅に増加した。

宿らん

ベンチャー企業が運営する、ホテル・旅館の口コミ人気ランキング・宿泊予約サイト。数少ない「改善」が行われたサイト。1口コミで得られる「宿らんポイント」が100ポイントから200ポイントと倍増になり、更には「ドットマネー」への交換が可能となった事から「ソラチカルート」が利用可能となり、ANAマイルへ高率で移行出来るようになった。また、各種ポイントサイトを経由して口コミを書く事により、ポイントサイトのポイントと2重取りが可能である。

その他にも、地味ではあるが「Gポイント」を貯める事の出来た口コミサイト「イーナビタ」のように、運営そのものを休止してしまったサイトもある。

以上の口コミサイトの変遷は、「宿らん」以外は、陸マイラーにとってマイナスなものばかりであるが、一方で明るい側面も見られる。

筆者は、その最たるものが「クラブパナソニック」だと感じている。その名の通り、元来はパナソニックが製品ユーザー向けに開設したサイトであるが、昨年、ポイントサイトの運営を開始した。

後発サイトゆえか、時に信じられないような還元率が提示される。例えば、宿泊サイト「エクスペディア」に関しては、7%の還元率が継続されている(2016年4月28日現在)。ハピタスが4.2%、ポイントタウンが2.3%である事と比較してみても、その還元率の高さがうかがわれる。

「クラブパナソニック」は、短期間限定でありながらも、「ポンパレモール」や「Yahoo! ショッピング」などで図抜けた還元率を提示していた事もあり、筆者がこの一年で一番多くのポイントを貯めたポイントサイトである。

サイバーエージェント系の「.money」(ドットマネー)も、ポイント取得の方法や交換先が飛躍的に増え、使い勝手が上昇したサイトである。

またNTTドコモが「ドコモポイント」を「dポイント」に進化させ、共通ポイント市場へ参入したことも、今後注目の動きと言える。

これらに通じて言える事は「大手企業の参入」という事である。その延長線上にあるのは、陸マイラーにとって喜ばしい世界なのかその逆なのか、現状では何とも言えないが、この先1年は、更に変化の大きい年となりそうな予感がある。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
アバター画像

diegosuarez

これまでに、南極を除く世界6大陸、40か国以上を訪問。マイルは旅を快適にする手段と心得、国内線や近距離の国際線はチケットを購入しマイルを貯め、長距離ビジネスクラスの特典航空券取得を目標としています。JAL、ANAのマイルを効率的に貯めるためには、クレジットカードの会費など、ある程度の出費は厭いません。年間、旅にかける費用はかなりの額になるので、それらのコストは旅の費用の一部と考えています。海外旅行の際は、航空会社、使用機材に至るまでこだわる、航空マニアでもあります。

-ANA(全日本空輸), JAL(日本航空), コラム, テクニック, マイレージ
-, , , , , , , , , , , , ,

© 2024 ポイ探ニュース