「電子マネーから学ぶ、キャッシュレスと経済のしくみ」が佃中学校で開催された。
2020年度から小学校、2021年度から中学校、2022年度から高校で金融教育が開始となっているようで、筆者の子どもの小学校では公認会計士による出張授業があった。これが金融授業なのだろう。
高校では家庭科の授業で行うようだが、今回の佃中学校では「総合的な学習の時間」を充てたとのこと。2時間連続の授業で1時間目はキャッシュレスについて、2時間目はワークショップの構成となる。
参加者は佃中学校の1年生。
最初の質問では知っている支払い方法を尋ねていたが、以下のような支払い手段が挙がった。
- 現金
- PayPay
- 交通系電子マネー(Suica、PASMO)
- nanaco
- WAON
- QUOカード
- 商品券
- 図書カード
- Apple Pay
なかなか興味深く、PayPayの知名度に驚かされた。やはりCMと決済音による効果だろうか。PayPayの利用には年齢制限はないため、実際に利用している学生もいるのだろう。また、出てきた決済手段のほとんどが前払い式の決済手段であるのも興味深い。
中学1年生の場合はデビットカード(即時払い)、クレジットカード(後払い)を持つことができないため、知っている支払い方法としてなかなか挙がってこない。
続いて、nanaco、WAON、Suica、PASMOなどで使われているFeliCaの仕組みについて。スケルトンカードが渡され、学生のテンションも上がる。
FeliCaカードにはバッテリーは搭載されていないが、電磁誘導が使われている事を紹介。ただし、電磁誘導は中学2年で学ぶ内容とのことで、1年生には少し難しい内容だった。
続いて、キャッシュレスでのお金の動きの紹介。前払い、即時払い、後払いでどのようにお金が動くのか。決済手段はこの3つしかなく、この支払い方法のインターフェースが紙なのかカードなのかコインなのかスマホなのか変わっただけとなる。
また、キャッシュレスのメリットについては積極的に手を上げての発言も目立った。消費者だけでなく店舗側のメリットも考えさせる内容だ。
後半はワークショップ。消費者と店舗の4パターンのペルソナ設定があり、それぞれの人がキャッシュレスにするメリットを各班で発表する。
参加した北川さんは、「イラストなどでわかりやすく、楽しく学べました。カードは身近ではなく、全て同じだと思っていましたが、違いがわかりました」とのことで、筆者にとっても中学生のキャッシュレス事情がわかりなかなか興味深いイベントだった。
「電子マネーから学ぶ、キャッシュレスと経済のしくみ」は学校が申し込む事ができるが、既に申込期間は過ぎている。なお、2023年度も設定される予定となるため、興味のある学校関係者の方は定期的にサイトを確認してほしい。また、他社でも金融の出張授業があるため、筆者の子どもが通っている中学校でも導入してほしいと感じた。