楽天カード(Mastercard)をAmazon.co.jpで利用すると0.2%還元に! なぜMastercardのみ狙い撃ち?

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楽天カード(Mastercard)をAmazon.co.jpで利用すると0.2%還元に! なぜMastercardのみ狙い撃ち? 専門家が解説!

クレジットカードには国際ブランド、カード発行会社(イシュア)、加盟店管理会社(アクワイアラ)があり、カード利用者が問い合わせなどをするのはカード発行会社となる。

今回の楽天カード(Mastercard)がAmazon.co.jpでの還元率を下げる理由を考えよう。

楽天カード、MastercardブランドのみAmazon.co.jpでの買い物が0.2%還元にダウン
楽天カード、MastercardブランドのみAmazon.co.jpでの買い物が0.2%還元にダウン

楽天カードでは、2023年1月5日(木)より、MastercardブランドのカードでAmazon.co.jpを利用すると、ポイント還元率が0.2%に変更する。 現在、楽天カードをAmazon.co.j ...

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まず、楽天カードはカード発行会社となる。加盟店管理会社をXとし、加盟店がAmazon.co.jpだ。

クレジットカード会社でのお金の流れ

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通常の流れは、楽天カード保有者(消費者)がAmazon.co.jpで利用すると、Amazon.co.jpがXに代金を請求。Xが楽天カードに代金を請求し、楽天カードが手数料(インターチェンジフィー)を引いた代金をXに支払う。Xが加盟店に手数料を引いた金額を支払う。

続いて、楽天カードがカード保有者に代金を請求し、カード会員の口座から代金が支払われる。Xと楽天カードは国際ブランドに手数料を支払うと言う流れだ。

ここで、Xと加盟店の契約で手数料率が決まっており、この手数料は加盟店も把握できる。

一方、楽天カードとXとの手数料(インターチェンジフィー)は公開されておらず、これは国際ブランドが決めている。

おそらく、Xと楽天カード間のインターチェンジフィーがMastercardのみ大きく異なるのだろう。

例えば、消費者が1,000円の買い物をした場合、加盟店には970円入ってくるとする。加盟店とXとの手数料は30円だ。この30円を楽天カードとXで分ける事になる。30円のうち、VisaやJCB、American Expressの場合は楽天カードに18円、Xに12円入るが、Mastercardの場合は楽天カードに10円、Xに20円といったような手数料率になっているのだろう。

楽天カードがカード保有者に1%還元すると10円分の楽天ポイントを付与することになる。つまり、VisaやJCB、American Expressの場合は8円が楽天カードの収益となるが、Mastercardの場合は全額ポイントで付与することになり、収益が0円となる。

つまり、楽天カードとしてはMastercardを使われるより、Visa、JCB、American Expressブランドを使ってもらった方が収益性がよく、Mastercardを使われると他のブランドよりも収入が減る。

そこで、Mastercardのみをポイント還元率0.2%に下げる事で消費者には2円分を支払い、8円分が楽天カード側の収益とすることで、VsaiやJCB、Amerixan Expressと同程度の収益にできる事になる。

もちろん、率は公開されていないため、これはあくまでも例となり、Visa、Mastercard、American Expressが同じというわけでもない。それでもイメージはわかってもらえたのではないだろうか。

おそらく、楽天カードをAmazon.co.jpで利用する人が多いのだろう。少ないのであれば、システムで例外を作る方が大変だが、システムの変更をしてまで対策をすると言う事は、Amazon.co.jpでの楽天カード使用率が高いと思われる。

このインターチェンジフィーが不透明のため、加盟店と加盟店管理会社の手数料が妥当なのか判断できず、公正取引委員会がクレジットカードのインターチェンジフィーを公開するように求めている。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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