その還元率は正しい? ポイント交換レートの変更などで価値が変わっている場合も!(菊地崇仁)

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その還元率は正しい? ポイント交換レートの変更などで価値が変わっている場合も!(菊地崇仁)

筆者は専門家としてクレカの取材を受ける事が多い。

良く聞かれるのが「JCBカードW」について。年会費無料で還元率が1%、セブン-イレブンやAmazon.co.jpなどでの還元率アップで紹介しやすいのだろう。また、JCBカードWをおトクなカードとして紹介しているサイトも多い。

JCBカードW

JCBカードW

「JCBカードW」の特徴は年会費が無料で「いつでもポイント2倍」だ。39歳以下で入会すれば40歳以降でも継続できる。

JCBカードWはいつでもポイントが2倍

JCBカードWはいつでもポイントが2倍

JCBカードの利用でたまるOki Dokiポイントは月間利用額1,000円(税込み)につき1ポイント獲得でき、「いつでもポイント2倍」のJCBカードWでは1,000円(税込み)につき2ポイントたまる。

また、JCBカードWは「JCBオリジナルシリーズ」となるため、JCBオリジナルシリーズパートナーでは更にポイントが上乗せだ。

例えば、Amazon.co.jpの場合はOki Dokiポイントが4倍となる。

JCBカードWはAmazon.co.jpでポイント4倍

JCBカードWはAmazon.co.jpでポイント4倍

内訳は、通常ポイントの1倍、JCBカードWの「いつでもポイント2倍」分の+1倍、JCBオリジナルシリーズパートナー優待での+1倍、ポイントアップ登録での+1倍。

「いつでもポイント2倍」「JCBオリジナルシリーズパートナーでポイントアップ」など、通常のJCBカードよりもポイントがたまりやすいのは間違いない。

しかし、獲得したOki Dokiポイントを知らなければ、本当におトクなのかが見えてこない。

Oki Dokiポイント1ポイントを5円として考えられる場合、1,000円につき1ポイントの付与のため基本ポイントは0.5%還元。2倍の場合は1%還元、4倍の場合は2%還元とおトクだろう。

ただし、Oki Dokiポイントを1ポイント=5円として使えるのは非常に少ない。1ポイント=5円として交換できるのは、ビックポイント、ベルメゾン・ポイント、ジョーシンポイント、セシールスマイルポイント、プレモバリューのみ。

最も使いやすい利金額の充当は1ポイント=3円。Amazonで直接利用する場合は1ポイント=3.5円での利用だ。多くの場合、Oki Dokiポイントから他のポイントなどに交換する場合は1ポイント=3~4円程度となる。

1ポイント=3.5円で考えた場合、「いつでもポイント2倍」は0.7%還元、「Amazon.co.jpでポイント4倍」は1.4%還元だ。年会費無料で還元率1%還元のカードとはいえなくなる。

もちろん、ビックポイントやベルメゾン・ポイントが欲しいと言う人にはJCBカードWの通常還元率は1%、Amazon.co.jpやセブン-イレブンでは2%還元となるが、自分がそのポイントをどう使いたいかを考えて、本当の意味での還元率を考えるべきだ。

Amazonでおトクなカードを探していて「JCBカードW」にたどり着いた場合は上記のことを良く理解しておこう。たまったOki DokiポイントをAmazon.co.jpで1ポイント=3.5円として利用するのであれば、年会費無料のAmazon Mastercardの方がおトクだ。Amazonプライム会員以外の場合でもAmazon.co.jpで1.5%還元となる。また、Amazon Mastercardは、大手コンビニ3社での利用も1.5%還元となっており、JCBカードWでのセブン-イレブンで4倍よりもおトクとなる。

以前は、基本的に他社ポイントに交換する場合などは、ほぼ同じレートになっていた。最近は、人気のあるポイントへの交換時には、交換レートが悪くなる傾向がある。

三菱UFJカードでは、セブン-イレブンやローソンなどでポイントが最大19%還元となるキャンペーンも実施しているが、このキャンペーンはたまるグローバルポイント1ポイントを5円と換算した場合。

三菱UFJカードの利用で最大19%のグローバルポイント還元キャンペーンを使ってみた! どこまで還元率アップできる?(菊地崇仁)
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グローバルポイントをPontaポイントに交換すると1ポイント=4円相当、楽天ポイントへの交換の場合は1ポイント=3円相当だ。

かろうじてAmazonギフトカードへの交換は1ポイント=5円相当で交換できるため、最大19%還元の表記も納得しているが、このレートが悪くなった場合は、最大19%還元の表記は微妙だろう。

オリコポイントからdポイントやPontaポイントへのポイント交換レートが変更されるなど、ポイント付与率自体は変わらないが、ポイント交換レートが悪くなるため、実質的な改悪となっている場合も多い。

オリコポイントからdポイントへのポイント交換レートを変更
オリコポイントからdポイントへのポイント交換レートを変更

オリコポイントからdポイントへのポイント交換レートが2024年5月1日(水)より変更となる。 現在は、1,000オリコポイントをdポイント1,000ポイントの等価交換が可能だが、5月1日(水)以降は1 ...

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交換レートでの調整は、値段は変わらないが、パッケージ容量を減らすイメージに近い。

ポイントの使い道の変更があった場合は、本当にそのカードがおトクなのか、もっとおトクなカードがないのかをもう一度確認するようにしよう。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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