楽天のSPUは改悪?改善? 楽天プレミアムカード利用者には改悪、楽天モバイル利用者には改善 SPU以外にも重大な変更点を解説!

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楽天のSPUは改悪?改善? 楽天プレミアムカード利用者には改悪、楽天モバイル利用者には改善 SPU以外にも重大な変更点を解説!

楽天市場ではSPUと言うサービスがある。通常、楽天でのキャンペーンはエントリー制となるが、エントリー不要で、楽天グループサービスを利用すると、楽天市場でのポイント倍率がアップする仕組みだ。

2023年12月以降にSPUの条件、その他キャンペーン条件が大きく変わるため、変更点について改善・改悪を含めて紹介したい。

【改悪】月間ポイント獲得上限が引き下げられる

特に重要なのは変更後の上限が引き下げられる点だろう。例えば、楽天市場で楽天カードを利用するとポイント3倍の特典がある。3倍の内訳は(A)楽天会員の1倍分、(B)楽天カードの+1倍分、(C)楽天カード利用特典の1倍分だ。

この(A)(B)についてはSPUの特典ではなく、(C)がSPUの楽天カード利用特典となる。(A)(B)については通常の特典となるため月間に獲得できるポイントの上限はない。一方、(C)の楽天カード利用特典の+1倍は月間5,000ポイントまでの上限がある。この月間の上限が12月以降に変更となり、1,000ポイントまで引き下げられる。

また、楽天証券の投資信託特典では、当月に合計3万円以上のポイント投資をした場合、楽天市場での楽天ポイント倍率が+0.5倍となるが、こちらも上限は5,000ポイントから2,000ポイントにダウンする。

12月以降はSPUの全ての条件で上限ポイントが引き下げられる。

実際にどの程度の利用で上限に引っかかるのかを検証する。

例えば、楽天市場で15万円(税抜き)の利用があった場合、楽天会員の1倍(上限なし)で1,500ポイント、楽天カードの+1倍(上限なし)で1,650ポイントだが、楽天カード利用特典は上限の1,000ポイントに引っかかる。つまり、これまでは4,650ポイント獲得できていたが、12月以降は4,150ポイントの獲得となる。

楽天証券 投資信託の場合、15万円(税抜き)分の+0.5倍は750ポイントのため、変更後の2,000ポイントを超えることはない。

+1倍分または+0.5倍で上限が1,000ポイント以下となる特典の場合、高額な買い物で上限に引っかかる可能性があるため注意したい。

【改悪】楽天プレミアムカードの+2倍が終了

2023年12月以降のSPUでは、年会費1万1,000円(税込み)の楽天プレミアムカードの+2倍が廃止となる。今回の変更で最も大きい改悪だろう。

現在は、楽天市場で楽天プレミアムカードを利用すると、ポイント5倍の特典があるが、年会費無料の楽天カード、年会費2,200円(税込み)の楽天ゴールドカードと同様、ポイント3倍のみに変更だ。

ただし、楽天カード利用特典の+1倍分は月間上限1,000ポイントに下がるが、楽天プレミアムカードの場合は月間5,000ポイントまでと若干上乗せはある。

楽天市場で15万円(税抜き)の利用時に、楽天カードの場合は楽天カード利用特典の1,000ポイント上限に引っかかるが、楽天プレミアムカードは5,000ポイントのため上限に引っかかる事はない。

月間10万円(税抜き)程度の楽天市場利用の場合は、楽天カードで十分となり、楽天プレミアムカードである必要はなくなる。

楽天プレミアムカードの最大の特典であるプライオリティ・パスの取得に魅力がなければ、楽天プレミアムカードから楽天カードにダウングレードも検討したい。

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【改悪】「毎月5と0のつく日」が5倍から4倍に

SPUではないが、「毎月5と0のつく日」はエントリーの上、楽天市場で楽天カードを利用するとポイント5倍の特典がある。

楽天会員で1倍、楽天カードで+1倍、楽天カード利用特典で+1倍(SPU)となり、「毎月5と0のつく日」で+2倍の合計5倍だ。

楽天プレミアムカードの場合は7倍特典だったが、12月以降は楽天プレミアムカードの+2倍がなくなり、「毎月5と0のつく日」は+1倍にダウン。

さらに上限ポイントも3,000ポイントから1,000ポイントにダウンするため、楽天市場で月間10万円を超えるような買い物の時には注意しよう。

お買い物マラソンやスーパーセール時には「毎月5と0のつく日」に重なることが多いが、一番ポイント倍率の高い18日(ダイヤモンド会員は+3倍)に重なることがないのが残念だ。

【改悪】楽天銀行+楽天カードは最大+1倍から最大+0.5倍に

楽天銀行+楽天カードの特典も変更だ。現在は楽天銀行の引落口座に楽天カードを設定し、楽天銀行口座で楽天カードの利用代金を引き落としている場合は+0.5倍、さらに楽天銀行で給与・賞与・年金を受け取っている場合は+0.5倍の合計+1倍だ。

2023年12月以降は楽天銀行の引落口座に楽天カードを設定し、楽天銀行口座で楽天カードの利用代金を引き落としている場合は+0.3倍、さらに楽天銀行で給与・賞与・年金を受け取っている場合は+0.2倍の合計+0.5倍となる。

月間獲得ポイント上限も変更となり、5,000ポイントから1,000ポイントに引き下げだ。

給与振り込みで+0.2倍であれば楽天市場で1万円(税抜き)の利用は20ポイント。楽天市場でどれだけ利用するかを考え、給与受け取りでポイントやマイルがたまる口座に変更も検討したい。

【改善】楽天モバイルのRakuten最強プランでは+3倍から+4倍に

一気に改悪を紹介したが、改善もある。楽天モバイルのRakuten最強プラン利用者の場合、現在はダイヤモンド会員は+3倍、それ以外は+2倍となるが、12月以降はダイヤモンド会員以外も+4倍だ。

ただし、月間の獲得ポイント上限が2,000ポイントと低いため、5万円(税抜き)を超えるような利用の場合は上限を超えてしまう。

なお、ドコモ回線やau回線を利用する楽天モバイル(MVNO)は従来+1倍だったが、12月以降は対象外となり+4倍にもならない。

また、楽天モバイル キャリア決済は現在+0.5倍だが+2倍にアップ。上限は5,000ポイントから1,000ポイントにダウン。

Rakuten Turbo/楽天ひかりも+1倍から12月以降は+2倍にアップする。上限は同じく5,000ポイントから1,000ポイントに下がる。

Rakuten Turboはモバイルルーターのサービスとなり、自宅に固定回線を引かないような場合に便利なサービスだ。引っ越しで光回線などが不要な場合は、契約するメリットもあるだろう。

【改善・改悪】楽天モバイルは楽天カードで街の利用が2倍に

エントリーの上、楽天市場で2万円(税込み)以上利用すると、街で楽天カードを利用すると楽天ポイントが2倍になる。

毎月のキャンペーンだが、2023年11月より楽天市場で2万円(税込み)以上の利用条件がなくなり、楽天モバイル契約者は、エントリーすると、街での楽天カード利用分がポイント2倍になる。

上限は500ポイントまで。なお、10月中のキャンペーンの上限も500ポイントまでとなっているため、楽天モバイル利用者にとっては改善と言える。

ただし、10月までは楽天モバイル利用者以外でも、楽天市場で2万円(税込み)以上の利用条件をクリアしていればキャンペーン対象だったため、楽天モバイル利用者以外は改悪だろう。


SPUやキャンペーンの改善・改悪をそれぞれ紹介したが、基本的には楽天モバイルを中心にした変更となり、auのマネ活プランやソフトバンクのペイトクを意識しているのだろうか。

SPUや「毎月5と0のつく日」のキャンペーン上限が大きく下がり、筆者のように、楽天ふるさと納税を一気に行うパターンでは上限の影響で思ったよりもポイントを獲得できなくなる。ただし、上限については、通常利用の場合はそれほど影響はないだろう。

今回の変更で考えるべきポイントは「楽天モバイルに加入するのか」「楽天プレミアムカードをどうするのか」の2点だ。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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