VisaとMastercard、Union Pay(銀聯)でのインターチェンジフィーの標準料率が公開されてた。インターチェンジフィーとは、加盟店管理会社(アクワイアラ)からカード発行会社(イシュア)に支払う料率となる。
加盟店が加盟店管理会社に支払う手数料は、インターチェンジフィーに加えて、加盟店管理会社の料率を加えたものだ。
今回公開された料率は標準料率となっているため、それぞれの加盟店ではまた異なる率となるはずだ。それでもある程度参考にはなるだろう。
インターチェンジフィーについては、カードのランクに応じて変わる仕組みとなり、Visaの場合は、一般、ゴールド、プラチナ、Infiniteで分かれている。
例えば、日常利用が加盟店の場合、一般は0.90%、ゴールドが1.00%、プラチナとInfiniteが1.20%だ。航空会社が加盟店の場合は一般が1.10%、ゴールドが1.20%、プラチナが1.40%、Infiniteが1.70%となり、カードのランクが上がればインターチェンジフィーも上がる仕組みとなる。
一般 | ゴールド | プラチナ | Infinite | |
日常利用 | 0.90% | 1.00% | 1.20% | 1.20% |
航空会社 | 1.10% | 1.20% | 1.40% | 1.70% |
これは、Mastercardも同じでコンビニなどの日常利用の加盟店は一般とゴールド、プラチナが0.85%、チタンとワールド、ワールドエリートが1.30%となる。加盟店が航空会社の場合は一般が1.25%、ゴールドが1.35%、プラチナが1.45%、チタンが1.60%、ワールドが1.80%、ワールドエリートが1.90%となり、ランクによってインターチェンジフィーが異なる。
一般 | ゴールド | プラチナ | チタン | ワールド | ワールドエリート | |
日常利用 | 0.85% | 0.85% | 0.85% | 1.30% | 1.30% | 1.30% |
航空会社 | 1.25% | 1.35% | 1.45% | 1.60% | 1.80% | 1.90% |
つまり、カードのランクが上がればカード発行会社の収入が増える仕組みとなり、カード発行会社にとっては、一般カードを使ってもらうよりもプラチナカードやブラックカード(Infiniteやワールドエリート)などを使ってもらった方が収入が増える事になる。
なお、税金や公共料金などでポイント還元率が下がるカードを紹介したが、公共サービスなどの手数料率が低いことも確認できる。Visa、Mastercardの標準料率を確認すると以下のようになっている。
■Visaの場合
一般 | ゴールド | プラチナ | Infinite | |
政府・公共サービス | 0.60% | 0.70% | 0.90% | 0.90% |
■Mastercardの場合
一般 | ゴールド | プラチナ | チタン | ワールド | ワールドエリート | |
公共サービス(政府等) | 0.56% | 0.56% | 0.56% | 1.00% | 1.00% | 1.00% |
公共サービス(水道光熱費等) | 0.56% | 0.56% | 0.56% | 1.00% | 1.00% | 1.00% |
例えば、一般カードを光熱費などで利用した場合、カード発行会社に入る手数料はVisaで0.60%、Mastercardで0.56%となり、これに独自の手数料を加えたとしても、利用者に1%のポイントを還元するとマイナスになる事もある。
そこで、楽天カードやアメリカン・エキスプレス・カード、ダイナースクラブカードなどは税金や公共料金などに対してのポイント還元率が低くしている。
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なお、楽天カードをAmazon.co.jpで利用した時の還元率が1/5に下がったのは、おそらくインターチェンジフィーの問題だと思われるが、今回公開された標準料率からは確認する事は難しそうだ。
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