筆者はポイントに関する取材を受けることが多い。その特集の中でほぼ並列に扱われるのが"節約"だ。ただ、ポイントと節約は全く性質の違うものだ。今回はポイントと節約の違い、共通点について解説する。
節約とポイントの違いは?
節約と言うのは消費を抑える行為だ。最大限出費を減らす行為が節約となる。例えば、コンセントをこまめに抜く、○時以降に買い物に行く、お風呂の水を洗濯に利用するなど。基本的には生活パターンを変更する必要があるだろう。
一方、ポイントは消費を抑えるのではなく、同じ金額を消費するにしろ、その中でのリターンを最大限にするのがポイントとなる。例えば、ビックカメラで1万円の商品を買う場合、決済方法でかなりの違いが出てくる。
現金 | 通常の クレジットカード |
ビックカメラSuicaカード のクレジットカード払い |
ビックカメラSuicaカード のSuica払い |
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ビックポイント | 1,000円分 | 800円分 | 1,000円分 | 1,000円分 |
クレジットカードのポイント | ─ | 50円?200円程度 | ─ | 150円分 |
合計 | 1,000円分 | 850円?1,000円分 | 1,000円分 | 1,150円分 |
ポイント生活には、最初にクレジットカードの見直し、電子マネーの見直し等が必要となったり、現金派の人は毎回決済方法をクレジットカードに変更する必要はあるが、基本的には決済方法を変更するだけで、利用するお店や時間帯を変えたりする必要はない。
節約とポイントの共通点は? 節約もポイントもやり過ぎはNG
では、節約とポイントの共通点はなんだろうか? 共通点は「おトク」という点だろう。また、どちらもやり過ぎはNGというのも共通点として挙げられる。例えばコンセントをこまめに抜くと言う節約術があるが、一ヶ月間で数円?数十円の節約だろう。もちろん可能であればやったほうが良いが、その労力での節約効果は低いだろう。
ポイントも同様で、ポイントのために遠くのお店に行ったり、100円でポイントが付くために95円の商品に加えて10円程度の必要のない商品で調整する人が出てくる。また、5%OFFの商品と5%ポイント還元の商品の場合、5%ポイント還元の商品を選ぶ人もいる。確かにポイントは多く貯まるが、本当におトクなのだろうか?
節約もポイントも目的は「おトクに生活する」ということだ。しかし、行き過ぎると目的が「節約すること」「ポイントを貯めること」になってしまう場合がある。
節約もポイントもバランスが大事だ。様々な特集で節約方法、ポイント獲得術等が掲載されているが、全てを取り入れるのではなく、自分のできる範囲で行うことを心がけて欲しい。