ANAのマイルを効率良く貯めるカードは「ANA ダイナース プレミアムカード」だろう。100円につき2ポイント獲得でき1ポイントは1マイルに交換できる。還元率は2.0%だ。しかし、年会費は15万5000円+税と非常に高額となる。
では、一般カードではどうだろうか? 一般カードでは年間利用額に対するボーナスポイントを考えても還元率は1.00%?1.09%だ。年会費は、ANA VISAカードやANA VISA Suicaカードが2,000円+税、ポイントをマイルに移行するときの手数料が6,000円+税と年間8,000円+税。ANA JCBカードやソラチカカード(ANA To Me CARD PASMO JCB)が2015年以降は年会費が2,000円+税、ポイントをマイルに移行するときの手数料が5,000円+税と年間7,000円+税となる(2015年4月までは年会費2,000円+税、移行手数料2,000円+税)。
JALカードのショッピングマイル・プレミアム加入時の5,000円+税でも高く感じる年会費だが、ANAカードの場合は更に高額となる。
JALカード | ANAカード(Visa/MasterCard/JCB) | |
年会費(一般カード) | 2,000円+税 | 2,000円+税 |
その他年会費 (ショッピングマイル・プレミアム 移行手数料) |
3,000円+税 | 5,000円+税(JCB 2015年4月以降) 6,000円+税(Visa/MasterCard) |
ただし、ANA VISAカード、ANA VISA Suicaカード、ANA JCBカード、ソラチカカードの場合、毎年マイルを交換せずに3年に1度のみ交換することで、交換手数料をおさえることが可能だ(『ANA JCBカード(一般・ワイド)、ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)の移行手数料を3年に1回の支払いにする方法』参照)。3年に1回交換することを考えると、ANA VISAカードの年会費は4,000円+税、ANA JCBカードの場合は3,666円+税と若干安くなる(年会費が安くなるわけではなく、1回の交換手数料を3年で割った平均として計算)。
ANA VISAカードの場合はさらにマイ・ペイすリボの"登録"を行うことで年会費を下げることができ、3年に1回の交換を考えると年間3,025円+税、ANA VISA Suicaカードの場合は2,751+税まで下げることが可能だ。さらに、ANA VISAカード、ANA VISA Suicaカード、ANA TOP&ClubQ PASMO マスターカードのマイ・ペイすリボを"利用"した場合は、還元率は1.30%?1.39%までアップすることが可能だ。
ANA JCBカード ソラチカカード |
ANA VISAカード ANA TOP&ClubQ PASMO マスターカード |
ANA VISA Suicaカード | ||
年会費(税抜) | 通常 | 2,000円 | 2,000円 | |
マイ・ペイすリボ登録時 | 2,000円 | 1,025円 | 751円 | |
交換手数料(税抜) | 通常 | 5,000円 (2015年4月以降) |
6,000円 | |
3年ごとの交換 | 1,666円 (2015年4月以降) |
2,000円 | ||
年間利用額に応じた還元率 | 30万円 | 1.00% | 1.00%(マイ・ペイすリボ利用:1.30%) | |
50万円 | 1.03% | 1.03%(マイ・ペイすリボ利用:1.33%) | ||
100万円 | 1.05% | 1.06%(マイ・ペイすリボ利用:1.35%) | ||
300万円 | 1.06% | 1.09%(マイ・ペイすリボ利用:1.39%) |
ただし、マイ・ペイすリボでのボーナスポイントを獲得するにはリボ金利の発生が条件だ。普通にマイ・ペイすリボを使った場合は年利15.0%の金利が発生するため、ボーナスポイントを獲得するメリットはないだろう。
毎月、支払額の調整を行い、マイ・ペイすリボのリボ金利を最小限にできる人であればANA VISA SuicaカードがANAのマイルを貯める最強のカードとなるが、一歩間違うと大きな損失となる。
では、リボ払いのリスクなしでANA VISA Suicaカード並みに還元率を高める方法はないだろうか? ジャックス発行のExtreme Card(エクストリームカード)とソラチカカード(ANA To Me CARD PASMO JCB)の組み合わせが良いだろう。
Extreme Cardの年会費は初年度無料、2年目以降は3,000円+税。ただし、年間利用額が30万円以上の場合は2年目以降も無料となる。メインカードとして利用していれば年会費は無料と考えても良いだろう。
一方、ソラチカカードの年会費は2,000円+税だ。ただし、ソラチカカードはサブカードとして利用するため、5マイルコースで十分だろう。マイル特約店、PASMOのオートチャージなどをソラチカカードで支払い、貯めたOki Dokiポイントは1 Oki Dokiポイントを5マイルとして交換する。この場合は移行手数料はかからない。
では、実際の獲得ポイントを見てみよう。Extreme Cardを利用すると1,000円につき10 Extreme Cardポイントが貯まる。Extreme Cardポイントは2,000ポイントをGポイントの3,000Gに交換可能だ。Gポイントは東京メトロのメトロポイントに交換でき、100Gを100メトロポイントとして交換できる。さらに、ソラチカカード保有者の場合は100メトロポイントを90マイルに交換が可能となる。
つまり、2,000 Extreme Cardポイントは3,000Gとなり、3,000Gは3,000メトロポイント、3,000メトロポイントは2,700マイルに交換できるのだ。
年間60万円利用した場合、6,000 Extreme Cardポイントを獲得できる。この場合は8,100マイルに交換可能だ。60万円で8,100マイルを獲得できると考えると、マイル還元率は1.35%となる。この場合の年会費は、Extreme Cardは30万円以上利用しているため無料。ソラチカカードの2,000円+税のみとなる。
では、ソラチカカードで60万円利用し、10マイルコースで3年に1度ポイントを交換した場合を考えてみよう。1,000円につき1 Oki Dokiポイント付与のため、600 Oki Dokiポイントの獲得となる。1 Oki Dokiポイントは10マイルで交換するため6,000マイルだ。ただし、50万円以上利用した場合のボーナスポイント(毎年同じ金額を利用し、翌年のボーナスポイントとなる)を考慮すると6,180マイルの獲得となる。マイル還元率は1.03%。年会費は交換手数料を考慮すると、3,666円+税。
ソラチカカードをメインカードとして利用するよりもサブカードとして利用したほうが良いことがわかっただろう。ANA VISA SuicaカードとExtreme Card+ソラチカカードを比較すると以下のようになる。なお、ANA VISA Suicaカードはマイ・ペイすリボを活用し、3年に1回マイルへの交換を行うという条件での比較をする。
ANA VISA Suicaカード | Extreme Card+ ソラチカカード |
|
券面 | ||
年会費(税抜) | 2,751円(マイ・ペイすリボ登録、3年に1回ポイント交換時) | 2,000円(Extreme Cardを年間利用額30万円以上利用時) |
ANAマイル還元率 | 1.0%?1.39% | 1.35% |
有効期限 | 3年間 | それぞれのポイントの有効期限 |
チャージでポイントが貯まる電子マネー | Suica | PASMO(ソラチカカード) |
メリット | メインカード1枚になる | ANAカード単体よりも年会費(移行手数料含む)が安い メインカードがVisa、サブカードがJCBと相性が良い マイルへの交換はいつでも可能 |
デメリット | 毎月リボ金利が最小になるように調整が必要 3年に1回しかマイルの交換ができない |
交換レートが悪くなる可能性がある 交換日数が長い |
どちらもそれなりに手間がかかるため、ANA VISA SuicaカードとExtreme Card+ソラチカカードを選ぶのは非常に難しいだろう。どちらもデメリットが大きく影響をする。マイ・ペイすリボは慣れればそれほど手間がかからないが、一度間違うと修正が大変だ。そのため、Extreme Card+ソラチカカードでマイルを貯め、交換レートが悪くなった場合は、ソラチカカードをメインカードに昇格し、10マイルコースの登録を行うのがおすすめだ。
マイ・ペイすリボを登録して年会費を安くする方法、利用して金利を安くする方法は方法は別の記事で紹介したい。