マイナンバーカードはマイナポイントだけじゃない!
先日、郵便局のネットショップで切手を購入した。以前より、切手やレターパックを購入するときに利用しているのだが、ログイン時に気になったことがあった。「ゆうびんIDでログイン」をクリックすると、なんとマイナンバーカードでログインできるようになっている。
最近から開始したサービスなのかと思っていたが、2017年11月には既に利用できる状態であったことを確認できた。
マイナンバーカードは、2020年9月よりマイナポイント事業が開始することでニュースなどでも取り上げられてきている。マイナンバーカードを入手し、マイキープラットフォームにアクセスするマイキーIDを取得する。2020年7月以降、マイキープラットフォームでキャッシュレス事業者を1つ選択。9月以降に申し込みした決済サービスでチャージまたは購入すると、キャッシュレス事業者から最大25%のポイントが付与される仕組みとなる。
還元上限は5,000円となるため、最大20,000円までのチャージまたは利用まで。2019年10月~2020年6月末まで実施するキャッシュレス・消費者還元事業の還元率は最大5%となるが、還元の多くは毎月15,000円が上限の場合が多く、キャッシュレス・消費者還元事業から比べると若干少なく感じるだろう。
マイナンバーカードの申込は時間もかかり、基本的には申込時または受取時に役所に行く必要がある。マイキーIDの取得も大変。それでいて上限が5,000円と考えると、マイナポイントのためだけにマイナンバーカードを申請するかの判断は難しい所ではないだろうか。
しかし、マイナンバーカードがあれば、自治体によってはコンビニで住民票を取得でき、窓口で取得するよりもおトクだ。世田谷区の場合は窓口では300円の手数料だが、コンビニの場合は200円と100円も安く取得可能だ。さらに、23時まで利用できるなど、窓口が閉まっている時間帯や土日に取得する事もできるため、マイナポイント以外にも便利な特典もある。
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さらに、冒頭でも紹介したように、サイトへのログイン時にも利用する事ができる。ただし、この機能を使うにはハードルは高いだろう。
マイナポータルの利用環境は?
まず、FeliCaのリーダー/ライターが必要だ。筆者はPaSoRiを保有しているため、すぐに利用する事ができたが、一般家庭にはFeliCaのリーダー/ライターはないだろう。
メーカー | 型番 |
SONY | RC-S330 RC-S370 RC-S380 |
NTTコミュニケーションズ | SCR3310-NTTCom |
郵便局のネットショップでマイナンバーカードでログインするには、初期登録が必要だ。従来はマイナンバーカードを自宅で利用する場合はInternet Explorer 11のみだったが、EdgeやFirefox、Chrome等でもプラグインをインストールすることで利用可能となっている。
プラットフォーム | OS | ブラウザ |
Windows | Windows 10 | Microsoft Internet Explorer 11 Microsoft Edge 40以上 Google Chrome 69以上 Mozilla Firefox 68以上 |
Windows 8.1 | ||
Macintosh | macOS Catalina | Safari 12以上 Google Chrome 69以上 Mozilla Firefox 68以上 |
macOS Mojave | ||
macOS High Sierra | ||
Android | Android 6.0~10.0 | Chrome 69以上 |
iOS | iOS 13.1以上 | Safari 13以上 |
プラグインをインストール後、再度、郵便局のネットショップにアクセスし、PaSoRiにマイナンバーカードを載せ、マイナンバーカードでログインしてみる。ログイン画面が表示されるため「利用者証明用電子証明書パスワード」を入力してログイン。
マイナンバーカードには、事前にパスワードを4つ登録しているので、理解しておかなければ間違ってしまう。暗証番号は入力を3回間違えるとロックされ、署名用電子証明書は5回間違うとロックされる。
内容 | パスワード | |
住民記帳台徴用(個人番号カード)暗証番号 | 個人番号カードを利用する移動手続の際などの本人確認時に使用 | 数字4桁 |
券面事項入力補助用暗証番号 | 区役所等での窓口申請書作成時に使用 | 数字4桁 |
利用者証明用電子証明書暗証番号 | 住民票の写し等証明書のコンビニ交付時、マイナポータルへのログイン等に利用 | 数字4桁 |
署名用電子証明書暗証番号 | e-Taxなど、電子申請の利用時に使用 | 英数字6文字以上16文字以下 |
「ゆうびんID」との連携や「郵便局のネットショップID」との連携画面が表示されてログインが完了。
マイナンバーカードでログインできるサイトは?
マイナンバーカードでログインできるサイト一覧は、マイナポータルにアクセスすると確認可能だ。「マイナポータルの機能」メニュー内に「もっとつながる」メニューがある。
「もっとつながる」にアクセスすると「つながっていないウェブサイト」として以下の4つが表示された。
- 国税電子申告・納税システム(e-Tax)
- ねんきんねっと
- 総務省 電波利用 電子申請・届出システムLite
- e-私書箱(野村総合研究所)
これらのwebサイトを利用する際は、「つなぐ」から接続することで、マイナンバーカードを利用したログインが可能となる。
例えば、e-Taxを繋げると、利用者識別番号と暗証番号を入力せずにマイナンバーカードだけでログインできるようになる。
QRコードでのログイン方法とは?
マイナポータルにアクセスすると、「ICカード リーダーでログイン」の他に「2次元バーコードでログイン」メニューがある。
2次元バーコードでのログインはスマホを利用する。スマホにアプリをインストール。続いて、「2次元バーコードでログイン」をクリック。「2次元バーコード読取」をタップし、表示されているQRコードを読み取る。
「利用者証明用電子証明書」のパスワードを入力し、「次へ」ボタンをタップ。スマホをマイナンバーカードにかざすとログインできる。パソコンの画面が切り替わり、ログイン完了だ。この方式の場合は、PaSoRiは必要ないため、手持ちのスマホだけでログインする事が可能となる。
ただし、「郵便局のネットショップ」では2次元バーコードでのログインに対応しておらず、現時点ではそれほどログインできるサイトも多くないため、アプリをインストールする必要もないだろう。
マイナポータルでは簡単な個人情報も確認可能!
マイナンバーカードを普及させるために、ポイントを絡めることばかりアピールしているようだが、住民票が取得しやすくなるなどの、基本的なサービスをアピールした方が普及するのではないだろうか。
例えば、マイナポータルには「あなたの情報」メニューがあり、「世帯情報」「税」「社会保障(健康・医療)」「社会保障(子ども・子育て)」「社会保障(福祉・介護)」「社会保障(雇用・労働)」「社会保障(年金)」とあり、選択して「確認」ボタンをタップすると、自分の情報を閲覧することが可能だ。
「社会保障(子ども・子育て)」を選択すると、「児童手当支給情報」として、手当月額などを確認できる。「社会保障(年金)」を選択すると、「年金給付記録情報」を確認可能だ。「ねんきん定期便」よりも簡易な情報となるが、「厚生年金加入月数情報」「国民年金加入月数情報」などを確認できる。「税」を選択すると、「個人住民税情報」の確認が可能。
簡易情報で良い場合は住民票を取得したり、課税証明書を取得する必要はない。マイナポータルで確認すれば良いだけだ。
今後は健康保険証が搭載されるようで、これが搭載されるとさらに便利になるのではないか。
税や健康保険証などの情報がマイナンバーカードに入っていて怖いと思われるかもしれないが、暗証番号がなければアクセスできない。暗証番号は3回間違えばロックがかかるなどセキュリティも考えられている。筆者は、自治体ポイントやマイナポイントの確認のためにマイナンバーカードを保有しているが、マイナポイントよりも、これらの便利な機能を利用するためにマイナンバーカードを作成した方が良いと考えている。