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最強のSuicaを取り込んだ楽天ペイは一歩リード! その理由とは?

2019年6月5日

2019年6月5日(水)に楽天ペイメントとJR東日本の記者会見があり、2020年春頃より、楽天ペイのアプリからSuicaを発行したりチャージしたりできるサービスが開始すると発表された。

楽天ペイのアプリからSuicaが発行できるサービスを発表! 楽天カードからのチャージには楽天スーパーポイントの付与も

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これは非常に大きな提携だ。筆者は以前「Suica最強」と言う記事を書いたことがある。最近流行の○○ペイだが、スピード+おトク度でSuicaが最強だ。日本国内で鉄道を利用しない人は少なく、還元率の高い○○ペイやクレジットカードがあったとしても、電車の乗車時にはSuica等の交通系ICカードが必要となる。

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その交通系ICカードの中でもアプリがあるのはSuicaのみ。相互乗り入れも開始し、SuicaがあればJR北海道でもJR西日本でも鉄道に乗車する事ができる。アプリを見れば残高も確認でき、残高不足の場合はアプリからチャージすることも可能だ。

ビックカメラSuicaカードやJRE CARDなどのビューカードからSuicaにチャージすれば1.5%のJRE POINTも獲得でき、Suicaにチャージして使えば、鉄道もコンビニも、常時1.5%還元となる。

また、コード決済の場合はポイントカードとの併用が難しい。ポイントカードをアプリで管理している場合は、ポイントカード アプリを提示し、アプリを切り替えてコード決済アプリを出す必要がある。一方、Suicaの場合はかざすだけで支払うことができるため、アプリのポイントカードを出したまま、決済端末にかざすだけで支払いが完了する。

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おトク度+スピードという点でSuicaに勝る物はない。

コード決済を提供している企業は大手ばかりだが、今から用地買収して鉄道ビジネスを開始します、と言う企業があるかというと、おそらくないだろう。

楽天グループの決済手段には、楽天カード(Visa、Mastercard、JCB、American Express)、楽天銀行デビットカード(Visa、JCB)、楽天銀行プリペイドカード(JCB)、楽天ペイ、楽天Edy、楽天キャッシュ、楽天ポイントカードと様々な種類がある。

記者会見時の楽天ペイメント中村社長のスライドに「毎日の生活シーンを幅広くサポート」とのスライドがあり、これらの決済手段を使えば、ほとんどの決済に対応することが可能だ。

この中で楽天グループの決済手段が提供できていないのが「通勤・通学」「出かける」の「移動」となる。「出かける」に関しては、タクシーも考えると楽天ペイ(アプリ決済)や楽天カード、楽天カードをApple Payに登録してQUICPayとして決済する事もできるが、「通勤・通学」で利用されることの多い鉄道に関するサービスを提供できていない。

これを埋めるための提携が、今回の楽天ペイ アプリからSuicaを発行したり、チャージしたりできる機能という事だ。

楽天ペイ アプリからは、おサイフケータイ対応端末の場合、楽天Edyとの連携もあるが、自社の電子マネーと併用してでもSuicaを導入するのは、鉄道をなんとしてもおさえたいと言う想いがあるのだろう。

楽天ペイのアプリからSuicaチャージは楽天カード(JCB、Mastercard、Visa)でチャージできるようにし、楽天スーパーポイントも貯まる予定だ。1%の楽天スーパーポイントが貯まれば良いのだが、楽天Edyと同様、0.5%になるのではないだろうか。

自社のアプリで鉄道までおさえた楽天は、キャッシュレス事業者として一歩リードしただろう。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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