2017年夏、JALマイルおよびユナイテッド航空 マイレージプラスのマイルを利用して世界一周をしてきた。なぜこの2社のマイレージプログラムを併用して世界一周旅程を組んだか不思議に思う読者もいるだろう。理由は簡単、この2社のマイレージプログラムは片道利用が可能であるからだ。
日本で一番ためやすいANAのマイレージプログラムは必ず往復で予約をするか、世界一周で出発地に戻って来なければならない。
今回の旅程
それぞれの区間と、かかった費用は以下の通り。
区間 | 航空券 | 航空会社 | 搭乗クラス | 費用 | |
第1区間 | 成田-ドバイ | JAL特典航空券 | エミレーツ航空 | ファーストクラス | 約8,100円 |
第2区間 | ドバイ-フランクフルト | JAL特典航空券 | エミレーツ航空 | ファーストクラス | |
第3区間 | フランクフルト-バルセロナ | 航空券購入 | ルフトハンザ航空 | エコノミークラス | 約19,000円 |
第4区間 | ビオバオ-フランクフルト | ユナイテッド航空特典航空券 | ルフトハンザ航空 | ビジネスクラス | 約8,800円 |
第5区間 | フランクフルト-ニューヨーク | ユナイテッド航空特典航空券 | ルフトハンザ航空 | ファーストクラス | |
第6区間 | ニューヨーク-羽田 | JAL特典航空券 | JAL | ファーストクラス | 約7,700円 |
唯一マイレージを使わず、普通に購入したエコノミー区間が一番料金が高いのは皮肉だが、約4.4万円でファーストクラス世界一周をしたことになる。全部正規料金で購入した場合、約450万円になる経路だ。
前編は第1区間と第2区間(成田-ドバイ-フランクフルト)、中編を第3区間~第5区間(フランクフルト-バルセロナ-ビオバオーフランクフルト-ニューヨーク)、後編を第6区間(ニューヨーク-羽田)で紹介していきたい。
それぞれの区間の感想:成田-ドバイ
初めてエミレーツ航空を利用した。エミレーツ航空はワンワールドに属してはないが、JALと個別に提携をしているため、JALマイルで乗ることが出来る。
成田空港でチェックイン後、エミレーツ航空のファースト&ビジネスクラスラウンジに向かう。広々としていてゆったりとしたラウンジだった。カレーが3種類ほど用意されていた。その他食事も充実していたが、機内食に向けて筆者は食べる量をセーブした。
成田発の便は2017年3月から再度A380という総2階建、約500名が乗れる超大型機に機材が変更された。ファーストクラスは14座席、そのうち当日は筆者を含め2名しか搭乗していなかったためガラガラであった。
ファーストクラスの機内の装飾は金をアクセントにした木目調のパネルが豪華な個室。頭上に荷物を入れるスペースは無いため、足元のスペースに荷物を置くが、足を伸ばしても荷物には届かない。座席に着くと数名のキャビンクルーが挨拶に来た。
ウェルカムドリンクはドン・ペリ。どんなに安い店で買っても日本では1本1.5万円程度するシャンパンだ。料理のスタートはキャビアから。続くコースは和食を選んだ。
実はファーストクラスの不都合な真実であるのだが、出て来る料理は見た目ほど美味しくはない。写真に撮るとSNS受けするきらびやかで美味しそうな見た目ではあるが、上空の気圧の関係、機内で火を使って調理が出来ない等の制約で出来合いのものが出される。機内食はファーストクラスと言えども味に過度な期待をしてはいけない。
とは言え、機内に専用のシェフを常駐させる同じアラブ首長国連邦エティハド航空のファーストクラスの料理は美味しかった。やはりCAさんが電子レンジでチンするだけの料理と専用シェフが機内で一工夫加える料理では味に違いが出る。
話をエミレーツ航空に戻そう。エミレーツ航空のA380の機内にはファースト&ビジネスクラス客専用のバーラウンジがある。機体の最後方にあるため最前方にあるファーストクラスからは若干歩いて後ろの方まで行かなくてはならない。バーラウンジにはフライト中は常にバーテンダーが常駐しており、お酒を振る舞ってくれる。
ここでは世界各国の乗客が集い一時の社交を楽しめる。エミレーツ航空の成田便は夜21時発と遅い。筆者が訪れたのも夕食のサービスが終わった日本時間夜23時頃だった。そのためかバーテンダー以外がバーにいることはなかった。
バーで少し飲んだ後、ファーストクラスの自席に戻ると筆者が座っていた座席1Aの真後ろ2Aにフルフラットのベッドが用意されていた。これはANAでもそうであったがファーストクラスに座席の余裕がある場合、座るための座席と寝るための座席2席貰える場合が多い。今回もそのパターンだ。
しばしの睡眠の後、ドバイ到着の90分程前に朝食。ドバイには現地時間朝3:00に到着。朝3:00といえども真夏のドバイ、外気温は34℃にもなる。
それぞれの区間の感想:ドバイ−フランクフルト
今回、ドバイはトランジットだけのため空港外には出ない。エミレーツ航空を利用しドバイ空港で6時間以上24時間以内のトランジット時間がある場合、ファーストクラス利用者はドバイの指定ホテルにて無料で休憩できる。今回は4時間ちょっとの空港滞在のためにその権利は利用できない。そもそもマイレージ利用の特典航空券ではこの権利は行使できない。正規料金で行かれる方で、条件に当てはまる方は利用してはいかがだろうか。
マイレージ利用者でもドバイ空港内のエミレーツ航空ファーストクラスラウンジの利用は可能だ。そこでも無償の飲食コーナーがあるが、筆者は前日の成田から食べ過ぎ、飲み過ぎのため、ラウンジではゆっくり休むだけどなった。
ドバイのファーストクラスラウンジからは飛行機に直接乗ることが出来る。ファーストクラスラウンジには飛行機直結の専用ゲートがあるためだ。次のフライトも総2階建てのA380だ。
次の目的地フランクフルトまでは明るい時間帯のフライトのため、東京-ドバイ間のような夜間フライトとはまた違った雰囲気が味わえる。出されるメニュー、酒類も成田路線と異なる物が出される。シャンパンも成田路線には無かったドン・ペリのロゼ(通称ピンドン)も提供されていた。CAさんによるとドン・ペリのロゼは一部の路線でしか扱いが無いようだ。これまた下世話な話だがドン・ペリロゼは普通のドン・ペリより高く、日本では1本2.6万円程で販売されている。
この路線では機内でシャワーを浴びることにした。エミレーツ航空のA380ファーストクラスでは機内でシャワーを浴びることができる。二畳程の広さがあるトイレ兼バスルーム内に防水ドアのあるシャワーブースがある。この個室利用は一人30分まで。水が出る時間は5分間。水が出る残り時間はLEDランプが知らせてくれる。
初めての機内シャワー体験。さっぱりするのだが、機内は寒いのですぐに水気を拭いて着替えられる準備をしておくことをおすすめする。ちなみにトイレ内の床は床暖房がついているので足元は温かい。そうこうしているうちに目的地のフランクフルトに到着。
前半はここまで。次回は、第3区間のフランクフルト-バルセロナから第5区間のフランクフルト-ニューヨークまでを予定している。