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ビジネスクラスからのアップグレードで、憧れの「ファーストクラス」に搭乗!

2015年8月26日

日本からヨーロッパやアメリカを旅するとなると、フライト時間は10時間を超えるのが一般的である。ロングフライトの場合は、体調面を考えても是非ともビジネスクラスに搭乗したい。しかしながら、ビジネスクラスとエコノミークラスの料金差を考えると、大枚はたける人は限られるのではないだろうか?

日本からヨーロッパやアメリカまでのビジネスクラスチケットとなると、どんなに安いチケットを見つけたとしても、サーチャージ込で30万円ほどになる。家族で旅行となると、エコノミークラスとの差額を負担できるだけの経済力のある人は限られる。

更にファーストクラスとなると、アメリカやヨーロッパ往復の場合、100万円を超えるのが当たり前である。ちなみにJALの場合、ファーストクラスには割引運賃が設定されておらず、ヨーロッパ往復の普通運賃は250万円強と、まさに高嶺の花である。

では「一般庶民が、国際線長距離のファーストクラスに乗るのは不可能か?」と問われれば、筆者は「そうではない」と答えたい。それは筆者自身、これまでに2回ファーストクラスに搭乗した経験があるからだ。その2回とも「アップグレード」であったが、その体験を以下に記すので、参考にしていただければ幸いである。

1回目は有料でのアップグレード

1回目は、ブラジルのサンパウロからアラブ首長国連邦のアブダビまでの15時間のフライト。航空会社はエティハド航空。筆者は特典航空券のビジネスクラスチケットを所持していたが、サンパウロの空港でチェックインしようとすると、「待ってました」とばかりに待ち受ける係員の姿があった。

ファーストクラスのトイレファーストクラスの「機内写真アルバム」のようなものを持ち出して「一人600ドルの追加料金で、アブダビまでのフライトをファーストクラスにアップグレードします」というプレゼンテーションが始まった。

当時のレートは1ドル約100円。二人で約12万円と、決して安い金額ではなかったが、「二度とない経験かも知れない」と思い、思い切ってアップグレードしてもらった。こちらも嬉しかったが、先方の係員もかなり喜んでいたのが印象的だった。

ちなみにこの時は、ファースト12席のうち、筆者らを含めて埋まっているのは4席のみだった。

2回目は無償のアップグレード

ファーストクラスのベッド2回目は、アブダビから成田までの10時間のフライト。こちらもエティハド航空である。この時は、ナイロビからの乗継で、筆者は「ナイロビ⇒アブダビ」「アブダビ⇒成田」のビジネスクラス特典航空券を所持していた。アブダビの空港での乗継ぎだったが、既に搭乗券(ビジネスクラス)を取得していたので、搭乗ゲートまで向かい(ビジネスクラスの搭乗券を)係員に差し出したところ、バーコードスキャンでアラームが鳴った。

係員が端末を操作し、搭乗券をプリントし直してくれたのだが、そこには「FIRST」の文字があり、座席が再指定され、ファーストクラスの座席番号に変わっていた。

このフライトでは、ファーストクラス12席が全て埋まっていたが、通常、繁忙期と言えどもファーストクラスが満席になる事は考えにくく、周囲のお客さんを見ても、アップグレードの方が多かったと推測される。

なぜ無償のアップグレードが行われたのか?

では、何故幸運にもアップグレードされたのであろうか? この点においては、航空会社の経営方針にも関わる事なので、想像するほかはないが、いくつかのポイントが考えられる。

まずは、ビジネスクラスの予約がないとファーストクラスへのアップグレードは難しいという点である。ただ、筆者の場合、2回とも特典航空券からのアップグレードだったので、有償のチケットか特典航空券かという点は問われていないと考えられる。

二つ目の点であるが、今回、筆者が予約していたビジネスクラスの座席配置は、「E」と「F」という、二人がすぐ横に並びあう2席であった。航空会社の座席配置を検索できる「シートグル」と言うウエブサイトがあるが、このサイトを見ていただければわかる通り、エティハド航空878便(機材はエアバス340-500)において、28席あるビジネスクラス座席の中で隣り合うカップルシートは4組しかない。このカップルシートを予約していた事が、アップグレードの原因となった可能性がある。
⇒「ビジネスクラスこそ、座席にこだわりたい! 同じビジネスクラスでも大きくシートが異なります」参照

エティハド航空の「成田⇔アブダビ」線は、日本からヨーロッパへの旅行者も多く利用している。中には新婚旅行の方も多く、往路のビジネスクラスで座席が近くだったカップルも、新婚旅行でベニスに行く途中で、チェックイン時に空港でアップグレードした旨を語っておられた。

あくまで推測にすぎないが、復路のアブダビから成田までの878便で、エコノミーからビジネスへのアップグレードを希望する方がいて、ビジネスクラス2席を予約していた筆者が、幸運にも玉突き式にファーストへアップグレードされたという考えだ。

ファーストクラスのサービスは?

どんな理由であれ、ファーストクラスにアップグレードされた筆者は、ファーストクラスの座席とサービスを満喫することが出来た。食事や飲み物は、メニューリストにあるものを好きな時に好きなだけいただく事が出来る。ポーチ入りのアメニティやスリッパだけでなく、パジャマまで提供(持ち帰り可能)される。

ファーストクラスのベッドベッドは全長2m越え、就寝時にはマットレスを敷いてくれ、左右にもゆとりがあって寝返りも打てる。1人分の座席スペースが、エコノミークラス6席分くらいの面積を占めるので、とてもゆとりを感じる。

それだけに料金も高額になるのだが、筆者の周囲で「ファーストクラス体験者」の話を聞いてみても、多くの方が「アップグレード」だったり「特典航空券」だったりする。

ちなみに、エティハド航空の「日本⇔中東・アフリカ」間の特典航空券を得るのに必要なマイル数は、ANAマイルを使用する場合、一人あたりビジネスクラスで108,000マイル、ファーストクラスで204,000マイルとなっている。

ファーストクラスで二人となると、40万マイル以上とかなりの数字になる。更に実際に2席のファーストクラス特典航空券を予約するのは、よほどのラッキーがないと難しい。二人での旅行であれば、ビジネスクラスの特典航空券からのアップグレードを狙うのが現実的な方法と筆者は考える。

「推測」がかなり含まれている記事ではあるが、少しでも参考にしていただければ幸いである。

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diegosuarez

これまでに、南極を除く世界6大陸、40か国以上を訪問。マイルは旅を快適にする手段と心得、国内線や近距離の国際線はチケットを購入しマイルを貯め、長距離ビジネスクラスの特典航空券取得を目標としています。JAL、ANAのマイルを効率的に貯めるためには、クレジットカードの会費など、ある程度の出費は厭いません。年間、旅にかける費用はかなりの額になるので、それらのコストは旅の費用の一部と考えています。海外旅行の際は、航空会社、使用機材に至るまでこだわる、航空マニアでもあります。

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