銀行取引でポイントがたまる──これは、いまに始まった話ではない。
楽天銀行やV NEOBANK、スルガ銀行、JRE BANKなどでは以前から、給与受取や口座振替、残高条件などに応じて、ポイントや特典を付与してきた。
銀行を“使ってもらうため”のインセンティブとして、ポイントを用意するのは、すでに珍しいことではない。
今回、ドコモと住信SBIネット銀行が打ち出している施策も、基本的な考え方はこの延長線上にある。
住信SBIネット銀行の口座での給与受取や口座振替などの対象銀行サービスの利用、またドコモ回線とのセット利用により、dポイントがたまる特典を開始する予定だ。
さらに、dカードの引き落とし口座を住信SBIネット銀行に設定し、街の買い物でdカードを利用すると、dポイントの還元率がアップする特典も検討している。
銀行の利用が、そのまま“日常の支払い体験”につながる仕組みと言える。
同じような設計は、auにも見られる。
2025年12月に開始した新プラン「auバリューリンク マネ活2」「使い放題MAX+ マネ活2」では、au PAYカードでau利用料金を支払い、au PAYカードの引き落とし口座に「auじぶん銀行」を設定すると、auじぶん銀行の円普通預金口座に最大1500円が還元される。
さらに、au PAYカードやau PAYの利用で最大2500円相当のPontaポイントを獲得できる。au PAYゴールドカードの場合は、100円につき5ポイントと5%還元だ。
au PAYゴールドカードとauじぶん銀行の口座を保有していると、最大550円が還元される特典も用意されている。
通信、決済、クレジットカードに加えて銀行を組み合わせて使うことで、ポイントのたまり方や使い勝手が変わる設計は、以前から存在していた。
ただ、これまでは通信とクレジットカードが中心で、銀行はライトな接続にとどまっていた印象がある。
それが最近は、銀行との“ハードな連携”が前提になりつつある。
三菱UFJ銀行と三菱UFJカードの例も象徴的だ。
三菱UFJカードの引き落とし口座を三菱UFJ銀行に設定すると、特定の加盟店で還元率は7%となる。条件を満たせば、最大20%還元も可能だ。
ドコモの銀行参入により、2026年は通信キャリア同士の競争にとどまらず、メガバンクを巻き込んだ争いが本格化しそうだ。
これまで必ずしも直接のライバルではなかった企業同士が、同じ土俵で競う局面が増えていくことになるだろう。
次回は、通信や決済の話から少し視点を移し、銀行そのものに起きている変化を整理する。