ドコモが住信SBIネット銀行を買収するといううわさは以前からあったが、ついにNHK、日経新聞、読売新聞、朝日新聞などの主要メディアが一斉に報じた。
日経新聞によると、約34%の株式を保有するSBIホールディングスは、そのすべてをドコモに譲渡する方針だという。
近年、ポイント経済圏をめぐる競争は激しさを増しており、先日にはVポイントとPayPayポイントの相互交換が発表された。これによりVポイント経済圏は、スマートフォン決済、コード決済、ECなどの分野での弱点をカバーする形となった。
一方のドコモも、2023年以降にマネックス証券の買収やAmazonとの提携などを通じて、これまで弱みとされてきた証券およびEC領域を強化してきた。ただ、銀行分野は依然として弱点であり、今回の住信SBIネット銀行の買収は、その空白を埋める動きとなる。
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筆者としては、銀行免許を取得することが目的であれば、住信SBIネット銀行のような大規模な銀行を買収する必要はないと考えていた。しかし、ドコモはあえて巨大な銀行を選んだようだ。
これによりドコモの金融面での弱みは解消され、dポイント経済圏はさらに強固なものとなるだろう。一方で、住信SBIネット銀行はVポイント支店やJAL支店など多様な専用支店を展開しており、BaaS(Banking as a Service)事業でも存在感を示している。それらの支店が今後も継続されるのかどうかに注目したい。
現在、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行といったメガバンクも、金融サービスを軸にポイント経済圏の構築を進めている。ドコモの銀行参入により、ポイント経済圏の競争はさらに激化し、目が離せない状況となってきた。