PayPay銀行は、2025年5月26日(月)より、法人と個人事業主口座のインターネットバンキングによる振込手数料を改定すると発表した。
PayPay銀行宛は0円、他行宛は145円(税込み)となる。これまで、PayPay銀行宛が55円(税込み)、他行宛が160円(税込み)だったが、同行間を無料にし、他行宛も15円安く設定した。
振込手数料 |
||
改定前 | 改定後 | |
PayPay銀行口座宛 | 55円(税込み) | 0円 |
他の金融機関宛 | 160円(税込み) | 145円(税込み) |
なぜ、このタイミングでPayPay銀行は法人・個人事業主口座の振込手数料を引き下げたのか。
2025年4月15日(火)に三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行、三井住友カードが法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk」を開始すると発表し、Trunkの影響と思われる。
-
-
【訂正】SMBCグループ、2025年5月から法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk」を開始
三井住友フィナンシャルグループと三井住友銀行、三井住友カードは、2025年5月より、法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk」を開始する。 三井住友銀行や三井住友カードなどでは、2023年3月に個 ...
続きを見る
法人向けのTrunkでは三井住友銀行宛振込手数料は無料、他行宛は一律145円(税込み)となっている。PayPay銀行の法人・個人事業主口座はこのTrunkにあわせた設定だ。
振込手数料 | |
三井住友銀行口座宛 | 無料 |
他の金融機関宛 | 145円(税込み) |
2025年5月より「Trunk」を開始すると発表していたが、具体定期な日付は発表されていなかった。しかし、Trunkリリースキャンペーンが2025年5月25日(日)までとなっているため、5月26日(月)より開始となりそうだ。
従って、PayPay銀行の法人・個人事業主口座の振込手数料引き下げは完全にTrunkの開始にあわせた変更と言えるだろう。
三井住友カードやソフトバンクでは、2025年5月15日(木)に提携を発表し、PayPayポイントとVポイントの総合交換、PayPayで三井住友カードを優遇、OliveでPayPayを優遇する施策を発表した。
-
-
三井住友カードとソフトバンク、デジタル分野で業務提携に合意 PayPayポイントとVポイントの相互交換などを開始
三井住友カードとソフトバンクは、2025年5月15日(木)にデジタル分野における包括的な業務提携に関し、基本合意書を締結した。 個人向け総合金融サービス「Olive」とソフトバンクのデジタルサービスに ...
続きを見る
さまざまなメディアでも話題となっており、筆者も提携の件でコメントする事も多かった。
しかし、今回の法人口座に関するPayPay銀行の手数料引き下げを見ると、がっちり提携というよりは、それぞれのサービスはそれぞれで独自に大きくしていくスタンスであることが判明したため、以前指摘したように、Tポイント+ヤフー+ソフトバンク連合崩壊と同じ道をたどる可能性もでてきた。
-
-
PayPayポイントとVポイントが提携? ポイント経済圏にどんな影響がある?(菊地崇仁)
さまざまなメディアで、VポイントとPayPayポイントの相互交換が可能になると報じられ、話題になっている。 日本経済新聞社によると、OliveとPayPayのスマホ決済を接続し、Oliveを使ってVi ...
続きを見る
あくまで提携は「個人向けサービス間だけです」と言うすみ分けなのかもしれないが、今後もそれぞれが同じようなサービスを強化していくと、簡単に歯車がかみ合わなくなりそうだ。