既にANAのWebサイトにて発表になっているが、2015年4月12日発券分からANAマイルにてANA特典航空券および提携航空会社特典航空券を取得する場合の必要マイル数が変更になる。ANAのWebサイトには「国際線特典航空券がますますご利用しやすくなります」との記述があるが、もちろんすべてを鵜呑みにしてはいけない。
改正の主なポイントは、「飛行距離制」から「ゾーン制」への変更だ。例えば、「Zone6」は、アメリカ・カナダ、メキシコまで含まれるため、東京からシアトルまで往復するのに必要なマイルと、沖縄から東京を経由して、メキシコのカンクンまで往復するのに必要なマイルは同一になる。
しかしながら具体的な例で考えてみると、やはりマイル数が増える場合が多く、例えば、東京からロンドンまで、ファーストクラス1名分のANAの特典航空券は、現在が12万マイル必要なのに対し、2015年4月12日発券以降は15万マイル?16万5千マイルと、25%?37.5%必要マイルが増える。
別の例を考えてみたい。
例えば、提携航空会社のエティハド航空を利用して名古屋からアブダビ経由でサンパウロに向かう場合、ファーストクラスの特典航空券には、現行では一人あたり22万マイル必要だが、新制度になると、一人あたり27万マイルと、5万マイルもアップする。
一方で、同じエティハド航空で東京からアブダビ経由でサンパウロに向かう場合、ビジネスクラスの特典航空券には、現行では一人あたり17万マイル必要だが、これが新制度になると、14万3千マイルと、逆に15%以上も少なくて済む。
新制度はゾーン制を敷いており、例えば「東京⇔南米」往復の場合、距離の短い北米経由か、距離の長いヨーロッパや中東経由かは問われない事になる。
ただ、ファーストクラスの特典航空券を得るには、例外なく必要マイル数はアップすると考えて良いだろう。
ここまで前置きが長くなったが、もしも、かなりのマイルが貯まっていて、行きたい行先が決まっている場合は、旧制度と新制度で必要マイル数がどう変わるかを、今の時点で計算してみる事をおすすめする。
そして、もし新制度の方が、必要マイル数が3000マイル以上多くなるのであれば、2015年4月1日?4月11日の間に、仮のスケジュールで発券しておくのも一つの方法だろう。
何故なら、ANAの場合、再発券を伴わないスケジュール変更は無料で、また最悪キャンセルの場合でも、特典航空券1枚に付き、3000マイルのキャンセル料でマイルの払い戻しが出来るからだ。
また、「2015年4月1日以降の発券」というのは、燃油サーチャージが4月以降値下がりする事が決定、もしくは見込まれるからだ。
前提としては、有効期限に充分余裕のあるマイルがそれなりに貯まっている必要があるが、航空会社の制度変更に対して、ユーザーとして賢く対応したいものだ。