最近増えてきているのが共通ポイント+独自ポイントの併用パターンだ。
例えば、東急ストアやプレッセでは、楽天ポイントカードとTOKYU POINT CARDのポイントがある。どちらか一方のポイントしかためられないわけではなく、2枚のポイントカードを提示すればダブルでポイントがたまる。
特にドラッグストアはこの傾向が強く、ココカラファインは2022年11月より、ココカラポイントとdポイントのダブル獲得が可能となった。
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ココカラファイン、dポイントとココカラポイントのダブル獲得が可能に
ココカラファインでは、2022年11月1日(火)より、ココカラポイントカードとdポイントカードの併用が可能となる。 ココカラファインの店舗でdポイントカードとココカラポイントカードを提示すると、100 ...
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マツモトキヨシの場合はマツキヨポイントとdポイント、トモズではトモズポイントとdポイントまたはPontaポイントがたまる。ツルハドラッグではツルハグループポイントと楽天ポイント、サンドラッグではサンドラッグポイントと楽天ポイントだ。さすがに共通ポイントはどちらか一方となる。
ドラッグストア | ポイント |
ココカラファイン | ココカラポイント + dポイント |
マツモトキヨシ | マツキヨポイント + dポイント |
トモズ | トモズポイント + dポイント or Pontaポイント |
ツルハドラッグ | ツルハグループポイント + 楽天ポイント |
サンドラッグ | サンドラッグポイント + 楽天ポイント |
ダブル付与の場合、利用者にとっては非常におトクとなる。ポイントカードだけで2重取りでき、決済時にはクレジットカードを利用するだけで3重取り、電子マネーやコード決済を利用すれば4重取りなど大量にポイントを獲得できる。
例えば、マツモトキヨシでdポイントカードを提示すると1%分のdポイント、マツモトキヨシ現金ポイントカードの提示で1%分のマツキヨポイント、dカード決済で1%のdポイント、特約店のため+2%のdポイントを獲得できる。
ダブル付与するには加盟店のコストはアップする。共通ポイントを購入するコストと独自ポイントを付与するコスト、ポイントカードの発行やアプリを維持するコストなどだ。レジのオペレーションも複雑になり、独自ポイントを運用するためには経理処理も複雑になる。
単純に考えれば共通ポイントだけにするか、独自ポイントだけにするかの方が良いのだが、なぜダブル付与する加盟店があるのだろうか。
独自ポイントだけの場合、問題点はどれだけ集客できるかだ。
この、集客を共通ポイントに任せれば独自ポイントよりも集客力はアップする。
独自ポイントの方が優れているのはマーケティングに利用できる個人情報を蓄積できる点だろう。共通ポイントにも個人情報は登録しているが、この情報は加盟店が確認する事はできない。
つまり、良くお店を利用するロイヤルカスタマーに対して、何らかのアクションをとりたくても、共通ポイントだけでは難しい事になる。
そこで、共通ポイントで集客し、独自ポイントでロイヤルカスタマーを育てる仕組みとして、ダブル付与するパターンが増えていると言う事だ。
共通ポイントのキャンペーンなども利用して送客してもらい、来店した利用者に独自ポイントもダブルで付くのでポイントカード作りませんかと言った方が簡単に会員登録してもらえるだろう。
独自ポイントと共通ポイントをどちらか選ぶ店舗もあるが、コストは下がるが、それぞれを導入する効果は薄れるのではないだろうか。
このような理由から、独自ポイント+共通ポイントは今後も増えてきそうであり、消費者にとってはポイントをためやすくなるだろう。