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機能重視の「SBIレギュラーカード」 意外と便利な6つの特徴 「au WALLETカード」へのチャージでポイントが貯まる

2014年11月13日

SBIカードが発行する「SBIレギュラーカード」。年会費無料で、最大還元率が1.2%となかなか良いカードだ。しかし、最近では年会費無料で1%を超えるようなカードが多く見られる。「REX CARD Lite(年会費無料、還元率1.25%)」「リクルートカード(年会費無料、還元率1.2%)」「Orico Card THE POINT(年会費無料、還元率1.0%)」「Amazonマスターカード(年会費初年度無料、翌年度は年に1回でも利用すると無料、還元率1.0%)」など。還元率だけで見ると、それほど目立った存在ではなくなったと言えるだろう。

還元率競争の中では埋もれてしまっている「SBIレギュラーカード」だが、意外と使い勝手の良いカードだ。今回は「SBIレギュラーカード」の便利な特徴を6つ紹介したい。

まず、「BIレギュラーカード」は以下の様な人に向いているカードとなるだろう。

  • 新社会人等の若い人(特徴1、特徴2、特徴3参照)
  • au WALLETカードを使っている人(特徴4参照)
  • SBI証券で投資信託を保有している人(特徴5、特徴6参照)

これから紹介する特徴は、どれもインパクトの強いものではないが、地味に便利な機能満載のため、保有すると重宝するカードとなるだろう。

特徴1:ポイントはキャッシュバック

「SBIレギュラーカード」で貯まるポイントは「サークルプラス」となる。月額利用金額1,000円につき10ポイント獲得でき、5,000ポイント貯まったら5,000円に、10,000ポイント貯まったら12,000円としてキャッシュバック可能だ。

通常のクレジットカードで貯まるポイントは、何らかの商品に交換したり、ポイントで新しく商品を購入しなければならない。しかし、キャッシュバックであれば、新たな商品を購入する必要もなく、貯蓄や投資などに利用することも可能となる。

特徴2:全ての利用金額に対してポイント獲得可能

「SBIレギュラーカード」のポイントは、1,000円につき10ポイントの付与となる。例えば、毎月53,453円を1年間利用した場合を考えよう。通常のクレジットカードであれば、端数部分の453円に対してはポイントは付与されない。年間で考えると453円×12ヶ月=5,436円の利用分が切り捨てられていることになる。

しかし、「SBIレギュラーカード」の場合は、端数部分の453円は翌月のポイント計算時に加算されるのだ。そのため、翌月は53,453円+453円=53,906円の利用料金に対してポイントが付与されることになる。ただし、この場合も530ポイントの獲得となり、さらに906円分が翌月に繰り越される。

次の月は53,453円+906円=54,359円に対してポイントが付与されるため、540ポイント獲得でき、359円分が翌月に繰り越される。このように、全ての金額に対してポイントが獲得できるため、支払った金額を1円も無駄にする事なくポイントを獲得することができる。

特徴3:延滞履歴がつきにくい

カード会社によっては、引き落とし日に銀行口座から引き落としができない場合は、翌日に再度引き落としが行われる場合がある。次の日までに銀行口座に入金しておくと、自動で引き落とされ、延滞にならないと言う良心的なシステムだ。しかし、多くのカード会社は、1度でも引き落とし日に口座残高が足りない場合は延滞となる。

CIC情報延滞となった場合は、信用情報機関のCICなどに延滞情報が登録される。CICに延滞履歴が残ると、住宅ローン等の各種ローンが借りられなくなったり、携帯の割賦販売を利用できなくなったり、他のクレジットカードを申し込んだ時に審査落ちする事がある。

しかし、「SBIレギュラーカード」は、引き落とし日に一括で引き落としができなかった場合は、自動的にミニマムペイメント金額の引き落としを試みる。例えば、5万円の請求があり、口座残高が4万円だった場合、引き落としができないが、その場合は、ミニマムペイメント金額の3,000円(以下の表を参照)が口座から引き落とされる。ただし、残りの47,000円はリボ払いとなるため、リボ金利が発生する事になる。

リボ金利は発生するが、引き落とし完了の扱いになるため、延滞にはならない。そのため、CIC等の履歴には延滞なしとして登録される。もちろん、口座残高が3,000円未満の場合、ミニマムペイメント金額の3,000円も支払えないため、この場合は延滞となる。

一度ついたCICの延滞履歴を消すには、クレジットカードを2年間延滞なしで使うしか方法はない。クレジットカードを解約してしまうと、5年間延滞情報が残ることになる。リボ金利が少しかかったとしても、延滞履歴が付かない方がメリットがあるだろう。

なお、リボ払いになったものは翌日以降「オンラインチェック」を利用することで、即時に支払いを済ますことが可能のため、それほどの金利は発生しない。

ショッピング利用残高(元本) ミニマムペイメント金額 ?ショッピング利用残高(元本) ミニマムペイメント金額
10万円未満 3,000円 60万円以上70万円未満 18,000円
10万円以上20万円未満 5,000円 70万円以上80万円未満 20,000円
20万円以上30万円未満 8,000円 80万円以上90万円未満 23,000円
30万円以上40万円未満 10,000円 90万円以上100万円未満 25,000円
40万円以上50万円未満 13,000円 以降、10万円増す度に 5,000円を追加
50万円以上60万円未満 15,000円

特徴4:au WALLETカードへのチャージでもポイントが付く

クレジットカードを選ぶときには、電子マネーとの相性も考えたほうが良い(「電子マネーを制するものはポイントを制す なぜ電子マネーを利用するとおトクなのか」参照)。「SBIレギュラーカード」は、楽天Edyやnanaco等、主要電子マネーへのチャージは不可のため、電子マネーへのチャージでポイントを獲得することはできなかった。

au WALLETカード2014年5月に開始した、au利用者向けの電子マネー「au WALLETカード」。約5ヶ月で約660万枚の申し込みと、非常に人気の電子マネーだ。2014年12月までは、じぶん銀行からのチャージがおトクだが、2015年以降は、じぶん銀行からのチャージでの上乗せ分が不明となっている(「電子マネーを制するものはポイントを制す 2015年以降でもau WALLETをおトクに使うには?」参照)。

この「au WALLETカード」の記事を書いている時には、「SBIレギュラーカード」を思い出すことができなかった。それほど、年会費無料で還元率1%のカードが増えてきたということだろう。

au WALLETカードへのクレジットカードチャージでポイントが付くカードは、「すべてのMasterCard、クレディセゾン/UCカード発行のVisaブランド、au WALLETクレジットカード」となる。「SBIレギュラーカード」は、MasterCardブランドのためau WALLETカードへのチャージは可能だ。そこで、「SBIレギュラーカード」でau WALLETカードにチャージした場合は、サークルプラスのポイントが貯まるのかをSBIカードの担当者に確認を行った。結果としては、チャージでポイントは貯まるとのことだ。

「SBIレギュラーカード」の還元率を1.2%と考えると、au WALLETカードの還元率0.5%を合わせると1.7%還元。au WALLETカード利用者には2015年以降、使うことが多くなるかもしれない。

特徴5:SBIポイントへの交換が可能

サークルプラスはそのままキャッシュバックするには5,000ポイントまで貯めなければならない。有効期限は2年間のため、2年間で5,000ポイント、つまり年間25万円の利用で5,000円のキャッシュバックは受けられることになる。しかし、年間利用額が少ない場合はキャッシュバックに利用できるまでポイントは貯まらない。

SBIグループにはSBIポイントがあり、サークルプラスはSBIポイントに1ポイント単位で等価交換が可能だ。また、SBIポイントもSBIカード保有者の場合は、住信SBIネット銀行限定となるが、5,000ポイントを5,000円分に、10,000ポイントを12,000円分にキャッシュバックが可能だ。SBIポイントの有効期限も2年となるため、サークルプラスからSBIポイントに交換すると、最長4年間で5,000ポイント貯めれば良いことになる。

さらに、SBIポイントの場合はTポイントやnanacoポイント、Suicaポイントなどに500ポイントから500円分に交換できるオプションも用意されている。5万円の利用があればnancoポイント等に交換可能だ。サークルプラスのままキャッシュバックを利用するよりは、SBIポイントに交換してから利用するのが便利だろう。

特徴6:SBI証券の投信マイレージサービスとの合わせ技

サークルプラスはSBIポイントへの交換が可能となっている。SBIポイントを貯めるためのサービスとしては、SBI証券の「投信マイレージサービス」がある。投資信託を毎月保有しているだけで、SBIポイントが貯まっていくサービスだ(「投資信託を購入・保有するときに貯まるポイントで証券口座を考える」参照)。

「SBIレギュラーカード」でサークルポイントを貯め、SBIポイントに交換する。交換したSBIポイントの10,000ポイントに足りない部分の補完としてSBI証券の投信マイレージサービスを利用すると、12,000円のキャッシュバックまで早く到達できるようになる。なお、投信マイレージサービスはNISA口座で投資信託を保有していても対象となる。

番外編1:SBIカードは年会費の消費税アップがない

機能重視の「SBIレギュラーカード」の便利な5つの機能と、おトクな使い方とは?今回は「SBIレギュラーカード」に特化して記事を書いてきた。「レギュラー」となっているため、当然ゴールド等のカードも用意されている。

SBIカードのラインナップは、「SBIレギュラーカード」「SBIゴールドカード」「SBIプラチナカード」「SBIワールドカード」の4つだ。

全てMasterCardブランドとなるが、MasterCardブランドには6つのカテゴリが存在する。それぞれでSBIカードのラインナップを対応すると以下の通りだ。

種類 SBIカード その他のカード
カード名 年会費(税込)
スタンダードMasterCardカード SBIレギュラーカード 無料 多数
ゴールドMasterCardカード SBIゴールドカード 5250円 多数
チタンMasterCardカード シティ リワードカード
プラチナMasterCardカード SBIプラチナカード 31,500円 三井住友プラチナカード
ワールドMasterCardカード SBIワールドカード 157,500円 シティ リワード ワールド カード
ポルシェカード
ワールド エリートMasterCardカード

※2014年11月13日現在

注目すべきは年会費だ。2014年4月に消費税が5%から8%にアップし、多くのクレジットカード発行企業は年会費や各種手数料を5%から8%に変更した。しかし、SBIカードの場合は、8%に変更されず5%のままとなっている。将来的に10%になった時にも年会費は固定になるのかをSBIカードの担当者に確認した所、10%になった時には変更する可能性はあるとのことだ。

番外編2:MasterCardの「ワールド」はブラックカード?

SBIワールドカード「SBIワールドカード」はラインナップから考えると「ブラックカード」となる。しかし、非常に不思議なのは上記の「その他のカード」の「ワールド」欄に「シティ リワード ワールド カード」が含まれている点だろう。

年会費12,000円+税の「シティ リワード ワールド カード」は「SBIワールドカード」と同じ「MasterCard Taste of Premium」のサービスを利用できる。

例えば、高級旅館・ホテルや高級レストランの優待サービスを受けられたり、国際線の手荷物無料宅配サービスも「シティ リワード ワールド カード」保有者は受けることが可能だ。なぜ、ブラックカードレベルのサービスを「シティ リワード ワールド カード」で受けられるのかは不思議なところだが、MasterCardの「ワールド」サービスを使いたい場合は「シティ リワード ワールド カード」を保有すると良いだろう。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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