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スルガ銀行大口客向けの「スルガVISAインフィニットカード(SURUGA Visa インフィニット)」 保有者に取得方法、使い勝手を聞いた

2014年11月3日

クレジットカードの最高峰「ブラックカード」。

「ブラックカード」と言うキーワードを知っている人も増えてきている。ただし、「ブラックカード」の定義は無い。そのため「SURUGA Visa インフィニット」をブラックカードと呼ぶか迷うところだが、スルガ銀行のクレジットカードのラインナップで考えると、「ブラックカード」となるだろう(「スルガVISAインフィニットカード」等と表記されることも多いが、スルガ銀行のラインナップと合わせ「SURUGA Visa インフィニット」と表記する)。

スルガ銀行のクレジットカードは、一般カードの「SURUGA Visa クレジットカード」、ゴールドカードの「SURUGA Visa クレジットゴールド」、プラチナカードの「SURUGA Visa プラチナクレジット」となっているため、「SURUGA Visa インフィニット」はブラックカードの位置づけとなる。

また、Visaのサイトでは「Visa Infiniteカード」についての案内があり、以下のように書かれている。Visaの最高峰カードという位置づけであり、「ブラックカード」と考えても良いだろう。

Visa Infiniteカードは発行会社様よりご招待を差し上げた限られたお客様のみに発行される、最上位のステータスを持つカードです。Visaプラチナカード会員向けのプログラムを含めたビザ・ワールドワイドが提供する優待特典は全てご利用頂けます。高いご利用限度額設定とより高額保障の旅行傷害保険が最上位のステータスをご提供します。

ただし、スルガ銀行のWebサイトには「SURUGA Visa プラチナクレジット」「SURUGA Visaインフィニット」の案内はない。筆者も保有していないため、これらのカード保有者を探し取材することにした(以降、Aさんと表記)。

「SURUGA Visa インフィニット」取得までの経緯

まず、気になるのは取得方法だろう。巷ではスルガ銀行の大口顧客向けのカードと紹介されている。

SURUGA Visa インフィニットのインビテーションAさんにインタビューした所、不動産投資を行い、スルガ銀行でローンを組んだ時に「SURUGA Visa プラチナクレジット」のインビテーションが来たとのことだ。

数年後に、スルガ銀行の違う支店でローンのおまとめ・保険の見直しをした所、「SURUGA Visa インフィニット」の紹介があった。特に「SURUGA?Visa プラチナクレジット」を保有して、利用していたから紹介されたわけではなく、いきなり「SURUGA Visa インフィニット」を申し込むこともできただろうとの事だ(その後の取材で、スルガ銀行の口座を開設し、ローンを組んだら紹介があったとの報告があったため、「SURUGA?Visa プラチナクレジット」の保有の有無、利用金額などは無関係のようだ)。

スルガ銀行に預金を入れているだけというよりは、ローンを組んでいるなどの取引実績が必要のようだ。逆に考えると、銀行取引で担当者と話すことができれば、担当者から「SURUGA Visa インフィニット」を紹介してもらうことができると言うことだ。他のプレミアムカードの場合、インビテーションの送付条件などは全く公開されていないため、とにかくクレジットカードを使うしか方法は無い。クレジットカードを利用していたとしても、インビテーションが来ない場合も多い。

スルガ銀行の担当者からの紹介があるというのは「SURUGA Visa インフィニット」取得を目指す人にとっては朗報だろう。ただし、数千万円の取引は必要となるようだ。

専用バインダーが付属

「SURUGA Visa インフィニット」が無事発行されると、箱に入ったバインダーが送られてくる。サービス内容は全てバインダーで管理することが可能だ。例えば、新しいサービスが追加された場合やサービスの変更がある場合は、差し替え内容、追加内容のページだけを保有者に送れば良い。

保有者も、そのバインダーを見ればサービスを確認することができるというのは非常に使い勝手が良いだろう。筆者もプラチナカード類は保有しているが、このようなバインダーが付いてきたカードはない。そのため、サービスの冊子がばらばらになり、コンシェルジュデスクの電話番号などを探すのが非常に大変となっている。他のプレミアムカードも専用バインダーは参考にすべきだ。

SURUGA Visa インフィニット専用バインダー

「SURUGA Visa インフィニット」の年会費は?

それぞれの年会費は以下の通りだ。ゴールドカードまでは一般的なゴールドカードよりも年会費は安いが、「SURUGA Visa プラチナクレジット」から通常のプラチナカードよりも年会費は上がっている。さらに「SURUGA Visa インフィニット」はプラチナの2倍の12万円となる。家族カードの枚数制限は書かれておらず、おそらく無制限で発行可能だろう。 家族カードは9枚まで発行可能だ(別の方から情報提供あり)。

カード名 年会費(税抜)
本会員 家族会員
SURUGA Visa クレジットカード 1,000円 500円
SURUGA Visa クレジットゴールド 5,000円 1人目無料、2人目以降1,000円
SURUGA Visa プラチナクレジット 60,000円 無料
SURUGA Visa インフィニット 120,000円 無料

「SURUGA Visa インフィニット」の限度額は?

「ブラックカードは限度額がない」という噂があるが、「SURUGA Visa インフィニット」には限度額があるのだろうか? Aさんに確認したところ、ショッピング枠が設定されているため、限度額はあるとのことだ。もちろん、一般的なカードよりは高額に設定されている。

冒頭でも書いたとおり、「ブラックカード」には定義はない。そのため、限度額があるカードはブラックカードとは呼べない、と言う考え方もある。しかし、スルガ銀行のクレジットカードラインナップを考慮し、ここでは「ブラックカード」として紹介することにする。

ポイントプログラム

ポイントプログラムではなく、キャッシュバックサービスとなる。「プレミアム返済アシスト」と「プレミアムトラベルアシスト」の2つのコースから選択することができるようだ。このプログラムは「SURUGA Visa プラチナクレジット」「SURUGA Visa インフィニット」のどちらも同じ条件となる。

■プレミアム返済アシスト

ショッピング利用金額の1.8%をスルガ銀行ローンの繰り上げ返済に充当可能。1ヶ月分の返済のうち、元本返済分が蓄積されると自動的に適応される。例えば、月々の返済額が9万円で、そのうち元本部分の返済額が3万円とすると、約167万円を利用した時点(167万円の1.8%=30,060円)で1ヶ月分が繰り上げ返済されるということだ。つまり、167万円で9万円分の効果があるため、還元率で計算すると約5.4%となる。

Aさんは、プレミアム返済アシストを選択している。167万円で9万円の効果があり、3万円の元本分からの差額6万円が年会費と相殺できると考え、「SURUGA Visa プラチナクレジット」を取得したとの事だった。しかし、「SURUGA Visa インフィニット」の切り替えでは、年会費を相殺するほど使うのは難しいが、最上位カードということで申し込んだということだ。

■プレミアムトラベルアシスト

ローンの返済が終わっている場合等はこちらを選ぶ人もいるだろう。「SURUGA Visa インフィニット」プレミアムデスク経由で申し込んだ旅行がある場合、その時点で累積の決済額が100万円であった場合、1.5%の15,000円分がスルガ銀行口座にキャッシュバックされる。ただし、他社のパッケージツアーを利用したり、個別で予約した旅行の場合には利用できない。

プレステージ会員のプライオリティ・パスが付帯 同伴者も無料で利用可能

国際線のラウンジサービス「VIPラウンジ」。入室するには「プライオリティ・パス」の会員になる必要がある。しかし、プレステージ会員の場合、399米ドルの年会費が必要だが、プラチナカードの場合は、プレステージ会員のプライオリティ・パスが付帯するのが一般的となる。

「SURUGA Visa プラチナクレジット」もプレステージ会員のプライオリティ・パスが付帯する。こちらは、本会員のみに発行され、同伴者は27米ドル必要と、一般的なプラチナカードの条件と同じだろう。「SURUGA Visa インフィニット」の場合、同様にプレステージ会員のプライオリティ・パスとなる。本会員のみに発行されることは同様だが、同伴者についての制限はない。Aさんは、同伴者とVIPラウンジを利用した場合も、利用料金は引き落とされたことは無いとのことだ。家族が多い場合、海外出張にお客さんと行く場合など、同伴者の制限がないプライオリティ・パスは重宝するだろう。

コンシェルジュサービス

Aさんは、ほとんど利用したことは無いとのことで、使い勝手は不明だ。一度、グルメ優待の利用時に電話した所、VICC(Visaインフィニット・コンシェルジュ・センター)に転送されたということだ。こちらは、今後Aさんが利用した場合に、情報をアップデートしてもらうことにしている。

ちなみに「SURUGA Visa プラチナクレジット」の場合はVPCC(Visaプラチナ・コンシェルジュ・センター)に転送になるのではないか、とのことだ。

グルメ優待、ホテル・旅館優待

グルメ優待は、何度か利用実績があるとのことだ。優待内容は、コース料理の価格はそのままでワンランク上のコースが提供される、ウェルカムドリンクサービスが提供される、個室料が無料になるなど、利用する店舗によって異なる。予約は、コンシェルジュデスクで行うことができ、利用するレストランとのやりとりはない。Aさんが誕生日に利用した所、レストラン側から誕生日ケーキが用意されるプレゼントがあったようだ。

残念ながら、ホテル・旅館の優待は利用したことが無いとのことで、使い勝手・特典等は不明ということだ。こちらも情報のアップデートがあり次第追記する。

"銀行"としての優遇サービスが豊富

「SURUGA Visa インフィニット」は、銀行発行のクレジットカードのため、銀行サービスに対する優遇が多いようだ。これは、他のプレミアムカードには無いサービスだろう。

■普通預金金利優遇サービス

「SURUGA Visa インフィニット」保有者は、店頭金利から+0.1%上乗せされる。「SURUGA Visa プラチナクレジット」の場合は金利優遇はない。

■キャッシングサービスの金利優遇

「SURUGA Visa プラチナクレジット」の場合、年利13.0%に優遇、「SURUGA Visa インフィニット」の場合は年利が9.0%とさらに低くなる。

■スルガ銀行各支店のプレミアムサロンの無償利用

Aさんは利用したことは無いとのことだが、商談などにも利用できそうな会議室が無料で借りることが可能だ。

■投資信託手数料半額キャッシュバック

■プレミアムICキャッシュカード

○	プレミアム IC キャッシュカードスルガ銀行ではキャッシュカード一体型の「スルガ銀行Visaデビットカード」があるが、「SURUGA Visa プラチナクレジット」「SURUGA Visa インフィニット」保有者は「プレミアムICキャッシュカード」を利用することができる。「プレミアムICキャッシュカード」は提携銀行のATM手数料分がキャッシュバックされるため、ATM利用料が実質無料となる。

ただし、Visaデビットカード利用分に付いては、キャッシュバック率は0.2%となり、「SURUGA Visa プラチナクレジット」「SURUGA Visa インフィニット」のプレミアム返済アシストやプレミアムトラベルアシストとは別となるため、Visaデビットカードとしてではなく、ATM手数料が無料のキャッシュカードとして利用したほうが良い。

「Free Style(フリースタイル)」はリボ専用ということ

スルガ銀行のクレジットカードはリボ専用カードとなる。毎月の利用金額に応じて、支払元金が変動するミニマムペイメントとなる。

利用金額 ミニマムペイメント
1円?10万円未満 3,000円
10万円?20万円未満 5,000円
20万円?30万円未満 10,000円
30万円?40万円未満 15,000円
40万円?50万円未満 20,000円
50万円?100万円未満 30,000円
100万円以上は50万円ごとに
15,000円加算
45,000円+

例えば、35万円利用した場合、元金が15,000円が支払われ、残り335,000円に対してリボ金利が発生することになる。ただし、口座引落発生前に、全額払いの手続きを行うことで、リボ金利を発生させなくすることは可能だ。しかし、全額払いの手続きは毎月必要でとなる点に注意が必要だ。

番外編、カード券面デザインについて

罫線は「SURUGA bank」最初の「SURUGA Visa インフィニット」の券面画像を見てもらえると、カード券面には横のラインが有るように見える。これは、すべて「SURUGA bank」の文字となっている(画像)。

確認した所「SURUGA Visa プラチナクレジット」も同様で、全てのスルガ銀行のクレジットカードで統一されているようだ。

また、カード番号を隠すためにあまり確認することはできないが、鳥のような綺羅びやか装飾がある。こちらは、「SURUGA Visa プラチナクレジット」にはないため、最上位カードを感じる事ができるだろう。


スルガ銀行のクレジットカードはリボ専用カードとなる。それが、ブラックカードの「SURUGA Visa インフィニット」でも同じというのが驚くところだ。

「SURUGA Visa インフィニット」「SURUGA Visa プラチナクレジット」の最大の保有メリットは、銀行のローンをクレジットカード利用分で支払いが可能な「プレミアム返済アシスト」を使う事だろう。そのため、ローンがない状態で「SURUGA Visa インフィニット」を保有するメリットはあまりない。

また、「SURUGA Visa プラチナクレジット」と「SURUGA Visa インフィニット」の年会費の差が6万円+税。Aさんによると「6万円+税の差は今のところ見当たらない」とのことだ。ただし、Aさんが「SURUGA Visa インフィニット」を取得したのが約1年前。「SURUGA Visa プラチナクレジット」の利用歴は約3年となっているため、使い続けていくとプラチナカードとの違いが見えてくるのかもしれない。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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