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三井住友カードにパルテノン神殿が描かれている理由とは?

三井住友カードの券面にはパルテノン神殿が描かれているのは皆さんもご存じだろう。

ふと疑問に思ったのが「なぜパルテノン神殿が描かれているのか」だ。「なぜパルテノン神殿なのか」と言う疑問は他サイトやYahoo!知恵袋などでも見つけることはできるのだが、パルテノン神殿が描かれている明確な理由が書いてあるサイトや回答は見当たらなかった。そこで、筆者なりに調べてみたので紹介したい。

パルテノン神殿をウィキペディアで調べてみると『古代ギリシア時代にアテナイのアクロポリスの上に建設された、アテナイの守護神であるギリシア神話の女神アテーナーを祀る神殿(en)。紀元前447年に建設が始まり、紀元前438年に完工、装飾等は紀元前431年まで行われた。パルテノン神殿はギリシア古代(en)建築を現代に伝える最も重要な、ドーリア式建造物の最高峰と見なされる。装飾彫刻もギリシア美術の傑作である。この神殿は古代ギリシアそして民主政アテナイ(en)の象徴であり、世界的な文化遺産として世界遺産に認定されている』とある。

該当ページを全部読んでいくと関連項目に『VJA - 同グループの発行するクレジットカードのカードフェイスにパルテノン神殿が描かれている』とあるが、描かれた理由ではない。

いつ頃からカード券面にパルテノン神殿が描かれたのかを調べてみたところ、三井住友カードの前身である住友クレジットサービスが発行する住友カードの券面から利用されていたようだ。

住友カードの券面を確認していくと、1990年頃からパルテノン神殿が描かれた券面に切り替わっているようだ。

いつ頃からカード券面にパルテノン神殿が描かれているのかは確認できたが、採用された理由は不明のままだ。

前回、アメリカン・エキスプレス・カードに描かれている百人隊長(センチュリオン)については、アメリカン・エキスプレスに確認すると、すんなり回答があったため、今回も三井住友カードに問い合わせることにした。

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三井住友カードに確認したところ『ブランド戦略を決めるときに社内公募で決まったデザインです』との回答だったが、『いつ頃のブランド戦略なのか、ブランド戦略を決めたときの資料が見つからないため、なぜパルテノン神殿なのかはわからない』との事だ。

そこで、パルテノン神殿のデザインに変わった1990年頃を含む1997年に住友クレジットサービスが発行した『住友カード30年史 最近10年のあゆみ』を確認することにした。現在は書店での取り扱いがないため、国立国会図書館に行ってきた。

閲覧申請をして、読んでいくとパルテノン神殿のデザインに切り替わったのが1990年7月となっていた。が、やはり理由については書かれていない。

理由が書かれていたのはVisaブランドのカード右上にある月桂冠のVマーク。こちらのVマークも1990年7月のデザイン変更で追加された物となる。

この月桂冠で囲ったVのシンボルマークはVISA、VICTORY、VALUEの意味があるとのことだ。なお、三井住友プラチナカードやMastercardブランドのカードにはこのマークはない。

1990年2月にはゴールドカードの中でも利用金額の多い利用者向けに年会費5万円の「ゴールドカード2100」が発行されたというような事も書かれていた。「ゴールドカード2100」は2100人限定のスペシャルクラブのようで、当時は珍しかったファクシミリを貸与するなどの特典が用意されていたようだ。

ただ、三井住友カードのパルテノン神殿になった明確な理由までたどり着くことはできなかった。引き続き調べていく予定だが、社内公募で応募した人にたどり着かなければ理由はわからないかもしれない。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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