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サラリーマンマイラーに朗報!? ANA新社長は繁忙期もマイルでハワイに行けるようにすると明言

2017年4月9日

2017年4月1日(土) ANAの新社長に平子裕志氏が就任した。読売新聞が就任直前の平子氏にインタビューをしたところ以下のことを明らかにした。

2019年春から、お盆や正月などの繁忙期でもマイルでハワイに行けるようにする

そもそもマイルの仕組みとは何なのか?

この記事をお読みの読者の中にも何故、片道数10万円から100万円以上もするビジネスクラスやファーストクラスが、マイルを使うとほぼタダで乗れるのか正確に知らない方もいるだろう。

筆者はいつもこう説明している。「マイレージ制度とは、食品スーパーで売れ残り品を割引販売しているのと同じ事だ」と。食品には賞味期限があり、その時間を過ぎてしまった商品は価値を持たなくなる。同様に、飛行機の座席も飛び立つまでに販売出来なければ、航空会社には1円の利益ももたらさない。

食品と航空座席の違いは、食品は賞味期限が近くなると30%割引、50%割引ということが平気で行われるが、航空座席は直前には割引販売されない。むしろこの便で飛ばないと間に合わないだろう? と足元を見られて割高で販売される傾向が多い。

飛行機の座席は高級品だ。昨日まで50万円だ100万円だと販売されているようなビジネス・ファーストクラスの座席を売れ残ったからと3?5割引で販売するとブランドイメージが崩れる。食品の割引目当て購入同様、割引時間まで待つような顧客がたくさん現れると、航空会社の経営も傾きかねない。

しかし、マイレージをたくさん持っている顧客=上客にはお安く空席を開放しますよというのがマイレージ制度の仕組みだ。

飛行機には搭乗率という経営指標がある。座席の供給数に対してどれだけ座席が埋まっているかを表す数字だ。JALもANAも公表しているが、概ね80%程度だ。つまり20%の座席が空席で飛んでいるということだ。250席程度の標準的な国際線なら50席が空席で飛んでいる計算になる。全ての空席がマイレージ用に提供されるわけではないので注意が必要だ。

繁忙期のマイレージ利用はなぜ難しいのか

航空需要の繁忙期とは、お盆、お正月、ゴールデンウィークといった日本人が一斉に休暇を取り、国内外に移動する時期である。飛行機の搭乗率は100%近くになり、チケットも通常の時期よりも高い。みんなが高いお金を払ってでも移動したがる時期なので、わざわざマイレージ利用者には開放しない。スーパーマーケットの残り物の例で言えば、残り物がない状態なので、割引販売をする必要がない。

ではなぜANAの新社長は儲かる繁忙期にマイレージでハワイに行けるようにしようとしているのか?

従来の航空会社の理論では繁忙期はお金を払ってくれる顧客を優先した方が航空会社の利益が最大化するように思える。しかし考えて欲しい、あなたがせっかくの思いで貯めたマイレージが、休みの時期に使えなかったらどうだろうか。普段の仕事で飛ぶフライトもANAにしようがJALにしようがマイルは休みに使えないと分かっていては会社を指定して飛ぶインセンティブはないのではないか?

平子新社長のメッセージはこうだと筆者は解釈した。「普段の仕事でのフライトはANAを選んでマイルを貯めて下さい。休みの時期のハワイでもマイルは使えますよ。」

休みの時期のマイル利用枠を広げることにより、平時のビジネスフライト需要を取り込もうとしているのではないだろうか。

見えた希望といくつかの懸念点

ANA新社長の、繁忙期のマイル利用をしやすくするというインタビューは世のサラリーマンにとってはビッグニュースだと思う。しかし、これは会社としての公式見解ではなく、社長が一新聞社のインタビューに答えただけの状態だ。

実施の時期も2019年春からと、あと2年も先の事である。2年先の航空需要、ANAの経営状況によっては実現できない可能性もある。

2019年春と言えば、ANAが世界最大の総2階建て民間機A380をハワイ路線に投入する時期でもある。まだ状況は流動的ではあるが、2年後に家族でマイル利用のハワイ旅行を目指して、今からマイルを貯めてみてはどうだろうか?

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firstclassokamiler

アメックスのポイント10万ポイントが当たり初めてファーストクラスに乗る。 以来、格安のコストでファーストクラスに乗ることに目覚める。基本的にポイントの使いみちはマイレージに交換して、国際線ファーストクラス利用。これまでファーストクラスはANA 3回、エティハド航空 2回、ルフトハンザ航空 1回利用。ビジネスクラスはANA 2回、エティハド航空 2回、スカンジナビア航空 1回利用。 現在はJALマイルも貯めて、ワンワールド系のファーストクラス飛行も計画中。

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