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共通ポイントを貯めるためのクレジットカードはなぜ年会費無料で還元率が高いのか?

2014年10月1日(水)に楽天が共通ポイントサービスに参入し、2015年12月1日(火)にドコモが新たに参入した。まさに共通ポイントサービスの戦国時代だ。

この共通ポイントを貯めるためのクレジットカードは非常におトクなカードが多い。Tポイント、Pontaポイント、楽天スーパーポイント、dポイントを貯めるためのクレジットカードは、基本的に年会費が無料で、還元率が1%以上となる。

Tポイントを貯めるのであれば「Yahoo! JAPANカード」があり、Pontaポイントを貯めるのであれば「リクルートカード」、楽天スーパーポイントを貯める場合は「楽天カード」、dポイントを貯める場合は「dカード」で、これらは全て年会費が無料、または実質無料のカードとなる。

では、それぞれの特徴を挙げてみよう。

Tポイント Pontaポイント 楽天スーパーポイント dポイント
クレジットカード Yahoo! JAPANカード リクルートカード 楽天カード dカード
年会費 無料 無料 無料 初年度無料、2年目以降1250円(税抜)(前年度に1回でも利用があれば翌年度も無料)
家族カード 無料 無料 無料 1枚目無料、2年目以降400円(税抜)(前年度に1回でも利用があれば翌年度も無料)
ETCカード 無料 無料、Visaブランドの場合のみ新規発行手数料が1,000円(税抜)必要 500円(税抜)(楽天Point Club会員ランクがプラチナ・ダイヤモンドの場合は無料) 初年度無料、2年目以降500円(税抜)(前年度に1回でも利用があれば翌年度も無料)
国際ブランド Visa、MasterCard、JCB Visa、JCB Visa、MasterCard、JCB Visa、MasterCard
還元率 1.0% 1.2% 1.0% 1.0%
特典 Yahoo! ショッピング、LOHACOでの買い物時はポイント3倍 電子マネーチャージに強い。nanacoチャージ、Visaブランドは楽天Edyチャージでもポイント付与 ダイヤモンド会員の特典、ポンカンキャンペーンを利用可能 dポイントクラブクーポンが利用可能
マイル交換先 ANA JAL ANA JAL

通常のカード会社が発行するようなクレジットカードの場合は、1,000円につき1ポイント(=5円相当)、200円につき1ポイント(=1円相当)など、還元率は0.5%が一般的となる。かつ、年会費がかかる場合も多い。

しかし、共通ポイントを貯めるクレジットカードの場合は年会費が無料で還元率が1%超えとなる。この違いはなんだろうか?

これらのカードを発行している企業は、カード単体での利益を考えなくても良い。例えば、カード事業が赤字でも、他の事業で利益が出れば、高還元率カードを「宣伝費」として考えることも可能だ。

例えば、年会費2,000円(税抜)のリクルートカードプラスは還元率が2%。nanacoへのチャージで考えると赤字だろう。それでもnanacoチャージでポイントが付くサービスを止めることは無く、寧ろ電子マネーチャージに強いことを売りにしている。

リクルートカード・リクルートカードプラスは電子マネーチャージに強い

つまり、リクルートライフスタイルのビジネスに良い影響をもたらすのであればカード事業が多少赤字でも成り立つわけだ。リクルートカードプラスをフックに、じゃらんnetやポンパレモール、ホットペッパービューティーなどを利用してもらえれば、そこで吸収することができる。

同様に、Yahoo! JAPANカードはYahoo! ショッピングやLOHACO、楽天カードは楽天市場、楽天ブックス、楽天トラベルへの誘導ツールと考えると、カード会社には出せないような還元率を出せる。

2015年は高還元率カードの改悪が多くあったが、以上のような理由から共通ポイントを貯められるようなクレジットカードが改悪される確率は低いだろう。

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菊地崇仁

2011年3月に株式会社ポイ探の代表取締役に就任。ポイントやマイルを中立の立場で語れる数少ない専門家として知られ、日経プラス1の「ポイント賢者への道」を2017年から長期連載中。年会費約120万円・約110枚のクレジットカードを保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。

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